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日銀が最悪の結末の中で死守したもの 2%の物価安定目標に秘められた真実

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授

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「最悪の結果」に見えた金融政策決定会合。だが「金融政策の要」は守った(撮影:尾形文繁)

 

 日銀金融政策決定会合(21~22日)後、日銀はインフレターゲット2%の導入を発表した。しかも、「できるだけ早期に」実現することを目指す。

最悪の結末の中で「守ったもの」とは

これは表面上、日銀は完全に政治に屈したことになる。白川方明日銀総裁は屈することはなんとも思っていないはずだが、適切でない目標を早期に実現することを目指さなければならないわけだから、これはある意味、最悪の結末だろう。

一方、最悪の結末の中で、できる限りの抵抗を試みた。抵抗とは、政治主導に対する抵抗ではなく、身を守ると言う意味での抵抗だ。ここは、白川氏の体裁に一切こだわらないところが功を奏した。

日銀がこの目標を達成しないときの罰則がない、などとくだらない指摘をしている評論家的な人もいるが、そんなところを抵抗したのではない。怒られないように、首にならないように、などといった下世話なことを考えるのは、これらの評論家の器が小さいからで、白川氏にはそんなくだらない発想はない。

彼は、本質的なところ、学問的なところ、金融政策の要を守ったのだ。

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【「金融政策の要」とは?】

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