金融産業革命の本質と未来考察 FinTechの波がもたらす創造的破壊の全貌
【クロージングスペシャルセッション】〈FinTech×イノベーション〉
FinTechはとにかく面白い
モデレーターの山口正洋氏は、経営するコンテンツ販売会社の運転資金を米FinTech決済サービス会社から借りた経験を披露。「決済サービスを通してキャッシュフローを把握しているので、適切なタイミングでオファーがあり、名刺交換もないまま融資されました。新たな業種と感じました」と、ユーザーの立場からFinTech企業を評した。
フィナンシャルメディアプラットフォームを運営する日本のFinTech企業、ZUUの冨田和成氏は「自分の人生の経営資源としてのお金を考えるべき時代を迎えていますが、金融については、情報収集、比較検討、購買判断といったうえでの情報リテラシーが一般の人には不足しています」と指摘。金融業界は、一気に高度なサービスに行く前に、半歩先の課題から解決すべきと訴えた。
金融担当相等を歴任、政策決定の経験が豊富な竹中平蔵氏は、FinTechをお金に関するビッグデータを扱うテクノロジー企業と定義。「日本で、ビッグデータを持つ銀行は、業法に閉じこもっていては危険だという健全な危機意識を持って新たな事業に踏み出すべき」と強調。実現には、優秀な若手登用の環境を整える雇用制度改革などの必要性を指摘した。