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FinTechの動きを踏まえた金融庁の対応
(総合政策等担当)
油布 志行氏
金融庁の油布志行氏は、FinTechに対する金融行政の取り組みを説明した。平成27年度金融行政方針は、FinTechが金融業・市場を大きく変える可能性を指摘。金融関連IT企業等への出資の容易化を含めた銀行法の一部改正案につながった。昨年末には「FinTechサポートデスク」を設置して、金融行政になじみのないFinTechスタートアップ企業から相談を受け、疑問に迅速に回答。有識者会議を開催してFinTechベンチャーを支えるエコシステム構築を検討するなどの支援に乗り出している。油布氏は「FinTechの可能性の大きさを踏まえ、きちんと評価して取り組むべき」という考えを示した。
FinTechの衝撃
金融テクノロジーが描く未来とイノベーションの本質
一橋大学名誉教授
野口 悠紀雄氏
ブロックチェーン技術をはじめとするFinTechの可能性を早くから訴えてきた早稲田大学の野口悠紀雄氏は、金融世界の変化について「需要の圧力が高かったところに技術的可能性が開け、急加速しています」と指摘した。FinTechは、少額送金の低コスト化で出稼ぎ労働者の海外送金需要に応えたほか、クラウドファンディングによる融資など、銀行の伝統的業務の一部を奪っているほか、証券取引も仲介不要にできることが技術的に証明されている。野口氏は「既得権益層の抵抗という問題はありますが、FinTech自体は国境に左右されず、社会経済活動を大きく変えることは間違いありません」と予想した。
FinTech:
中央銀行の視点
小早川 周司氏
日本銀行の小早川周司氏は、FinTechによる銀行の役割の変化や、デジタル通貨をめぐる動きを説明した。銀行は従来、決済、リスク管理等のサービスを一体的に提供してきたが、その一部をFinTechが高度化して切り出すアンバンドル化が発生。一方で、FinTechによるイノベーションを銀行自らが取り込むリバンドル化も起きている。この間、ブロックチェーンを使ったデジタル通貨をめぐっては、中国人民銀行が人民元のデジタル化に言及。また、欧州中央銀行もブロックチェーンの決済システムへの応用に言及するなど、海外中銀では、FinTechに関する情報発信が積極的に行われている。また、日本銀行でも「FinTechセンター」の立ち上げやフォーラムの開催等を通じて、FinTechをめぐる情報の共有や知見の活用を図っていきたい。小早川氏は「決済サービスの効率化を進めるとともに、安心安全な金融インフラの維持・向上に努めながら、今後の中央銀行の役割を真剣に考えていきたい」と語った。
ブロックチェーン技術の最新動向
最高技術責任者
榊原 彰氏
日本マイクロソフトの榊原彰氏は、FinTechの中でも注目度が高いブロックチェーン技術を詳説。改ざんが困難で、障害に強く、低コストで運用できる優れた技術として高く評価されているとした。レイテンシー(データ処理等にかかる時間)が遅いなどの課題はあるが改善も図られ、実証の取り組みも進む。米FinTech企業主導のコンソーシアムには世界の大手金融機関43社が参加。マイクロソフトもクラウド上で同技術の開発運用プラットフォームサービスを提供する。同技術は、金融、公共の証明、流通のトレーサビリティ等に使えることを指摘した榊原氏は「技術的に可能なことに対しては法整備が促されるでしょう」と語った。
APIバンキングによるFinTech共創戦略
常務執行役員
銀行・フィナンシャルマーケット サービス事業部
蓑輪 圭樹氏
日本IBMの蓑輪圭樹氏は、アプリケーション同士をつなぐAPIを活用した、FinTech企業と金融機関の連携について語った。顧客ニーズに対応したサービスを迅速に提供するには「API連携で外部サービスを取り込むことが重要」と指摘した蓑輪氏は、IBMの取り組みを紹介。IBMのAPIバンキングプラットフォームに共通APIを構築し、それをハブに銀行側とFinTech企業側のシステムとつなぐことで、システム間の違いを吸収して連携が容易になり、外部アプリケーションと接続する際のセキュリティも強化できるという。蓑輪氏は「新しい金融サービスを皆さんと創っていきたい」と呼びかけた。
Visaの戦略について
フィンテック動向とビッグデータ活用事例
取締役営業本部長
外山 正志氏
Visaの外山正志氏は、日本でのカード等を利用した支払比率は、世界的にも低い17%にとどまっていることから「次回東京五輪は決済インフラを他の先進国並みにする機会」と訴えた。それに向けてVisaでは、小規模加盟店向けの決済機器や、セキュリティを強化。FinTech分野では「VisaがFinTechのさまざまな企業と一緒に新たな仕組みを作り、金融機関に提供していく」と述べた。少額の個人間送金などの多様な仕組みを用意。プラスチックカードに代わる、モバイル端末を利用した決済インターフェース開発も進める。外山氏は「後に振り返って、2020年を境に現金利用がなくなった、という話ができるようになれば」と話した。

【ブレイクアウトセッションⅠ】〈FinTech×企業経営〉
FinTechと産業革命
国際企業戦略研究科 准教授
野間 幹晴氏
一橋大学の野間幹晴氏は「FinTechが着目される背景には、顕著な技術的ブレークスルーがある」と指摘。FinTechがもたらす革命を、金融取引領域の革命、テレマティクスを使った自動車保険などFinTechと産業の結合、電子調達プラットフォームによる調達取引・経理処理の電子化などFinTechによる産業革命、の3層に分類。FinTechとともに人工知能も大きな影響を与えると予想した野間氏は「FinTechはIT技術を使って企業価値を高めることが本質で、金融機関だけでなくすべての事業会社が参加すべきフィールド」と話した。
【ブレイクアウトセッションⅡ】〈FinTech×トレジャリーマネジメント〉
クラウドを利用した財務戦略の高度化と内部統制の強化
副島 弘行氏
キリバの副島弘行氏はキリバのクラウド型トレジャリーマネジメントシステムとSWIFTという二つのインフラを利用することにより、グローバル財務管理が飛躍的に高度化できると語った。各国に散在するグループ会社の受発注明細、グループ間取引明細、外国為替ヘッジ状況、銀行取引明細、財務・投資キャッシュフローなどの財務情報を集めて利活用することにより、グループ全体であたかも一つの財務管理システムを使っているような管理を実現でき、内部統制強化や財務指標改善にも役立てることができると語った。
【ブレイクアウトセッションⅢ】〈FinTech×デジタル決済〉
決済におけるFinTechリーダーとして進化していくVisa
デジタル決済の未来と企業ニーズとの関連性
新技術推進部部長
鈴木 章五氏
コマーシャルソリューション ディレクター
ジェニファー・フォン氏
Visaの鈴木章五氏は、日本では未導入のVisaの多様なサービスを紹介。研究開発や、事業者と協働する拠点を拡充し、中核システムのVisaNetをオープンにするなど新規サービス開発に向けたインフラ整備の意気込みを示した。法人向けにVisaは、カードの取引データをERPに自動取り込みできるソリューション等で、購買・販売の煩雑な業務の効率化を推進。ジェニファー・フォン氏は、「変化の激しい決済環境、顧客ニーズに対応するため、カード情報のデータ化を可能にするVisaは最良のFinTechパートナー」と訴えた。
【ディスカッション】〈FinTech×金融EDI〉
企業金融に起こるイノベーション、金融EDIの未来像
決済・金流情報に商流の電子情報を乗せる金融EDIの取り組みを浪川氏が尋ねた。全銀協会長行SMBCの川越氏は、全銀協の実証実験で、売掛債権消し込み作業を効率化できたことを説明し、今後は「データ項目標準化が課題」とした。花王の牧野氏も、グループの卸会社と、小売り、物流の三者による商流・決済情報連携の実験で作業効率化を確認。「金融EDIのメリットをもっと宣伝することが大事」と述べた。小島プレスの兼子氏も、EDI連携で同日検収・同日支払を目指した実験で、消し込み作業の削減効果を確認。「労働人口減の中小企業の生産性向上が重要」と語った。日立の北村氏は、EDIのフォーマット統一について、ステークホルダーが多く、意見をまとめる難しさはあるが「サプライチェーン全体に資するように考える」とした。経産省の植木氏は、商流情報の標準化について、本年中に結論を出すとした、今年の日本再興戦略(素案)を紹介。「オープンな議論をしていきたい」とまとめた。
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ゲスト
花王 会計財務部門 経理企画部長 牧野 秀生氏 |
ゲスト
経済産業省 経済産業政策局 産業資金課 課長補佐 植木 貴之氏 |
ゲスト
小島プレス工業 総務統括部 参事 兼子 邦彦氏 |
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ゲスト
日立製作所情報・通信システム社 金融システム事業部 事業推進本部 本部主管 北村 年章氏 |
ゲスト
三井住友銀行 トランザクション・ビジネス本部 決済企画部 部長 川越 洋氏 |
モデレーター
金融ジャーナリスト 浪川 攻氏 |

【ブレイクアウトセッションⅠ】〈FinTech×ブロックチェーン as a Service〉
FinTech時代におけるマイクロソフトのブロックチェーンへの取り組み
エグゼクティブプロダクトマネージャー
大谷 健氏
ブロックチェーンの開発環境をクラウドサービスで提供するマイクロソフトの大谷健氏は「日本発のグローバルFinTechサービスを創出しようと本気で取り組んでいます」と訴えた。同社は、加盟するブロックチェーン関連団体等を通して最新動向を把握。アイデアを持つベンチャーが、低リスクで時間のムダなく、事業に取り組めるよう、クラウド環境、技術サポート、ビジネス支援を3年間無償提供する支援プログラムを行っている。大谷氏は「パートナーエコシステムを構築し、参入者を手厚く、真摯に支援したい」と話した。
【ブレイクアウトセッションⅡ】〈FinTech×法改正、金融規制〉
FinTechのもたらす金融業務の変革と戦略的M&A・業務提携
藤原 総一郎氏
梅澤 拓氏
「FinTechの本質はビジネスモデル変革」と定義した長島・大野・常松法律事務所の梅澤拓氏は「金融機関の敵はFinTech企業ではなく、顧客にとって不十分な自社のサービス」と指摘。FinTech企業に対する5%超の出資を新たに認可制の下で可能とした改正銀行法の活用を促した。金融機関のFinTech戦略の選択肢として、自社開発、買収型取引、ライセンスなどの非買収型取引の三類型を挙げて整理した藤原総一郎氏は、金融機関に対し「FinTechスタートアップとは、強みと弱み、目標が異なると認識すべきだが、取れるリスクは取るべき」と積極姿勢を求めた。
【ブレイクアウトセッションⅢ】〈FinTech×APIエコノミー〉
FinTechを支え、価値を高める「APIエコノミー」と「ブロックチェーン」とは
クラウドテクニカル・セールス統括部
エグゼクティブ・アーキテクト
早川 ゆき氏
グローバル・ビジネス・サービス事業
金融トランスフォーメーション
アソシエイト・パートナー
高木 隆氏
IBMの早川ゆき氏は、ユーザー体験拡充のため、APIの重要性を訴えた。お金の使い方の分析から、旅行や外食業と連携して、成約率の高いオファーをする家計簿アプリの例を紹介した早川氏は「変化の激しいデジタルIT領域はAPIで素早く対応すべき」と語った。高木隆氏は、取引を分散元帳に記録するブロックチェーンの技術的な仕組みを解説し、情報のアップデートが必要なものや、情報の集約・分析など、不向きな業務を挙げた。高木氏は「ブロックチェーンはトランザクション処理に向いている。業務により、既存技術との使い分けが大事」と話した。
【ディスカッション】 〈FinTech×金融アンバンドリング〉
FinTechは銀行・証券・保険業界に何をもたらすのか?
キープレイヤーが語る金融イノベーション
パートナー
野口 功一氏
帝京大学 経済学部 教授
慶應義塾大学経済学部
非常勤講師・経済学博士
宿輪 純一氏
ブロックチェーン実証実験を行うPwCコンサルティングの野口氏は「スタートアップとのスピード感、ベクトルの違いを大企業がクリアすればFinTechは活性化する」と期待した。宿輪氏が、ベンチャーとの付き合いや、最新の取り組み状況を尋ねた。SMFGの中山氏は、有望スタートアップ発掘や大学・研究機関との協働、他業界からの若手採用など、FinTech施策を紹介。「新たな技術だから使うのでなく、将来像を描き、必要な技術を見つけるアプローチが大事」と語った。社長直轄の金融イノベーション推進支援室を立ち上げた野村HDの八木氏は「FinTechの進化は速いため、インハウスでの開発にこだわらず、ベンチャー企業や異業種との協業が大事。スピード感を持てば、チャンスになる」と述べた。健康増進サービスなどヘルスケア領域でスタートアップとも連携したイノベーションを探る第一生命の齊藤氏は、「お客さまのQOLの向上や健康寿命の延伸につながる新しいビジネスモデルを作っていきたい」と語った。
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ゲスト
三井住友フィナンシャルグループ ITイノベーション推進部長 中山 知章氏 |
ゲスト
野村ホールディングス 金融イノベーション推進支援室長 八木 忠三郎氏 |
ゲスト
第一生命保険 国内営業戦略ユニット長 兼 営業企画部長 InsTechイノベーションチーム 齊藤 京一氏 |
【クロージングスペシャルセッション】〈FinTech×イノベーション〉
FinTechはとにかく面白い
東洋大学教授 慶應義塾大学名誉教授
竹中 平蔵氏
ZUU代表取締役社長 兼 CEO
冨田 和成氏
投資銀行家
山口 正洋氏
モデレーターの山口正洋氏は、経営するコンテンツ販売会社の運転資金を米FinTech決済サービス会社から借りた経験を披露。「決済サービスを通してキャッシュフローを把握しているので、適切なタイミングでオファーがあり、名刺交換もないまま融資されました。新たな業種と感じました」と、ユーザーの立場からFinTech企業を評した。
フィナンシャルメディアプラットフォームを運営する日本のFinTech企業、ZUUの冨田和成氏は「自分の人生の経営資源としてのお金を考えるべき時代を迎えていますが、金融については、情報収集、比較検討、購買判断といったうえでの情報リテラシーが一般の人には不足しています」と指摘。金融業界は、一気に高度なサービスに行く前に、半歩先の課題から解決すべきと訴えた。
金融担当相等を歴任、政策決定の経験が豊富な竹中平蔵氏は、FinTechをお金に関するビッグデータを扱うテクノロジー企業と定義。「日本で、ビッグデータを持つ銀行は、業法に閉じこもっていては危険だという健全な危機意識を持って新たな事業に踏み出すべき」と強調。実現には、優秀な若手登用の環境を整える雇用制度改革などの必要性を指摘した。
