農薬専業大手、クミアイ化学工業は10月10日、同社としては最大級の新製品の販売を開始した。
新製品「ファンタジスタ」は、当社を発祥とするイハラケミカル工業と共同開発した、新規化合物ピリベンカルブを有効成分とする野菜、果樹用殺菌剤。通常は2~3作物に対する効果が確認された段階で農薬登録申請をするのだが、ファンタジスタは20作物40病害への効能を謳っていることから、満を持しての投入ということがわかる。名前には、オールラウンドにゲームをコントロールするサッカー選手のようになってほしい、という願いが込められている。
新規化合物のピリベンカルブは既存のストロビルリン剤の基本構造を変換して得られたもので、病原菌の呼吸は阻害するが、植物など生物にはそれほど影響しないため安全性が高い。また、新しい構造を持つため既存の薬剤耐性菌にも効くなどの特徴がある。
野菜、果樹用の殺菌剤は10~14日間隔で散布する必要があり、同じものをまき続けると菌に耐性ができるため、基本となる基幹剤とほかの殺菌剤でローテーションを組んで散布することになる。基幹剤といえるほどの殺菌剤を持っていないクミアイ化学は、多くの作物と病害に効くファンタジスタを農家の「常備薬」的な農薬として販売する方針で、自社の既存製品を食う心配はないとしている。
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