世界金融市場は「崩壊の危機」に直面している 資金の安全な避難場を破壊した日銀の「罪」

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そのバブルがいま崩壊しているのである。

欧州の銀行は欧州の国債に資金を待避させたが、それを利用して稼ぎもした。投機家と一緒に、中央銀行や政府を相手に負けないギャンブルをしたのである。しかし、そのツケは欧州危機として実現した。リスク無視で財政危機の国々の国債を買いまくったから、実際にギリシャが財政破綻をすると、連鎖反応で国債は暴落し、銀行は危機になり、再び欧州当局は資本を注入し、国債を買い上げ、金融システム危機を回避した。この過程で、欧州の銀行は一時しのぎをしながら次のビジネスモデルをつくることはなかった。

金融緩和による世界的な不動産バブルで、再び銀行や金融機関はレバレッジを高め、国債の次は不動産へ資金を移し、欧州危機が一息つくと、懲りずに株式市場に投資家の資金は殺到し、世界の株価は上昇したのである。

疲弊した新興国は不況に落ち込んでいった

しかし、この中で新興国は疲弊していた。米国の大規模な量的緩和により、世界的なバブルが起こり不動産、株式に集中したため、実体経済の本格回復はないまま、投機資金が資産市場に流れ込んだだけだった。実体経済の支えは唯一、中国などの需要に対して輸出をするだけであったし、その輸出の多くは資源など一次産品が含まれ、資源バブルが起きた。世界の資金はここにもなだれ込んだ。新興国はインフレに悩み、金利を引き上げなければならなかった。バブルを抑えるために、国内の実体経済を不況に陥れてしまった。

こうなると、資金は先進国に向かい、ドルが急上昇し、新興国通貨は大幅に下落し、輸入インフレが激しくなった。これを抑えるためには、金融を引き締めなければならず、実体経済はますます不況に落ち込んでいった。

こうなると、資源バブルもはじけざるを得ない。新興国の中心である中国が息切れし、中国依存の世界経済を支えきれず、自国を守るために、通常モードに政策をシフトさせてきたからである。この結果、原油は大幅に下落し、これは資源輸出国である新興国、途上国にとどめを刺した。その中には中東を始め世界の産油国が含まれており、ますます原油市場は、財政のつじつまを合わせるための売り(供給)が減少しないことにより、暴落を続けた。ただ、原油価格は高くなりすぎていたのであって、需給で決まるとなれば暴落は当然だった。

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