伊勢丹メンズ館が採用したO2Oサービス「RUNWAY」とは 【オンラインから実店舗へ顧客を呼び込む。IT施策の最前線】

集客につなげる
オウンドメディア
2015年2月、百貨店最大手の三越伊勢丹が新しい施策に乗り出し、百貨店業界で話題になっていた。メディア・マーケティング企業・ソルフレアのO2O*クラウドサービス「RUNWAY」を、伊勢丹メンズ館に導入するというものだった。
これは簡単に言えば、顧客ロイヤリティを高めながら、オンラインとオフラインを横断する新しい購買体験を提供するプラットフォームづくりを目指すものだ。
ソルフレアが最初に手掛けたのが「ISETAN MEN'S net」、いわゆる伊勢丹メンズ館のオウンドメディアである。オウンドメディアとは、既存のメディアと異なり、各ブランド、各企業が顧客との対話を密に図るための自前のメディアであり、最新のマーケティング手法の一つである。もともと伊勢丹メンズ館では、13年9月からこの手法を用いて店頭スタッフがメディア運営に当たってきたが、「もっとたくさんのお客様を呼べるメディアにできないか」という悩みがあった。一連の陣頭指揮を執った伊勢丹新宿本店紳士・スポーツ営業部計画担当長の近藤詔太氏はその経緯を次のように語る。

紳士・スポーツ営業部
計画担当長
近藤詔太
「これまでわれわれの商品を提案させていただく方法としては、DM、チラシ、カタログ、雑誌広告などが中心でしたが、もっとタイムリーにお客様に情報を提供し、コミュニケーションを促進したいと考えていました。自社のオウンドメディアをつくりましたが、思うようにはトラフィックが上がらず、スタッフの負担が増えるという課題もありました。そんな時、これらの課題を解決しつつ、われわれのお客様、スタッフをうまく融合でき、ユーザー目線の口コミや、そのデータを現場の店頭で有効活用できるというRUNWAYを知りました」