過去問だけではもう通用しない?
5年後、大学入試が大きく変わる

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予測不可能な変化が起こる社会の中で、答えのない問題にどう対処していくのか。また他者との対話の中で、いかに答えを導き出していくのか。そこにZ会の教育が役立っていくと思いますし、Z会自身もさらに進化していくつもりです」

こうした考え方の下、Z会では、2016年3月より通信教育中高一貫コースを進化させ、新しい講座をスタートさせる。それが2021年度大学入試改革を見据えた「総合」講座だ。

この「総合」は、「自分で考え、調べ、書く」ことを基本として、学習を通じて社会的課題の解決に貢献する力を養うことを目的としている。これまでそうあるのが当然と考えてきたモノやコトに対して、「本当にそうだろうか?」と問いを立てることに重点を置いている。Webを通して、全国の仲間の考え方を知る場も用意する。

扱う分野は「人文」「自然」「社会」の3分野。たとえば、人文分野では、「自由」の意味について考えさせる問題がある。自然分野では、「地球温暖化で海に浮かぶ氷が溶けて海面が上がる」という意見が、正しいかどうかを自分で考える。社会分野では、日本と中国の関係について考え、情報の正誤を判断するために必要な資料・データとは何かを考えることを通じて現代社会のあり方を探求することもある。

つまり、Z会では、「総合」は知を生み出す場を提供する講座だと考えている。この講座を通じて、将来、子どもたちが単に知識のある大人ではなく、「良識」ある大人になるための力を身に付けてほしいということだ。

Z会の考える「論理的思考力」とは何かをクイズストーリーと映像美で体感できる『正直村と嘘つき村』

中学生に必要なこと
保護者に必要なこと

「総合」を通じて、今の中学生が将来の大学入試に対応していくためには、どのような心掛けが大事になるのだろうか。

「大切にしてほしいのは、自分の考えを文章や対話にすることです。先生が板書したことを単に書き写すだけではなく、なぜこうなるのか、何が違うのかを考え、文章化してほしい。自分から実社会への興味・関心を高めてほしいのです。自分のいる場と異なる社会がどのような原理で動いているのかを知るためにも、地域社会の活動を通じて、学校と違った社会に触れることもいいでしょう。

もう一つ付け加えるとすれば、たくさんの本を読んでほしいということです。ストーリーの把握力と語彙力がなければ、思考を形作ることはできません。文章という論理のつながりを自分の頭で受け入れる習慣を身に付けることは、学力の根源でもあります。中学生と言わず、小学生のうちからでも本を読むことは大切なことなのです」

「違うジャンル、違う世代の人と話すことで実社会への興味・関心を高めてほしい」と語る上之門氏

一方で保護者はどのように対応すればよいだろうか。上之門氏はこうアドバイスする。

「入試の姿が変わり、新しいかたちの授業が始まる中で、不安になる保護者の方がいるかもしれません。しかし、これからは今までの常識が通用しない社会が到来します。今存在している仕事が、これからも続く保証はありません。これからの子どもたちは、今の大人が知らない仕事で生きていかなければならない可能性もあるのです。

今の大人の常識を子どもたちに当てはめすぎると、かえって子どもたちが苦労するかもしれません。だからこそ、子どもたちの可能性を信じてほしい。そして、これからの変化は、大人が子どもたちと一緒に成長していける良い機会だととらえたほうがいいのではないでしょうか。

80年間以上貫いてきたZ会の教育方針は、どのような問題に対しても対応できる力が身に付くと確信しています。Z会の教育が、これからの時代を生きていくお子さんの将来に役立つことを願っています」