社員もパートも幸せな「持たざる経営」の秘密

世界トップを走る中小企業には総務部がない

メーカーを支えるのは、年齢、性別、雇用形態にかかわらずイキイキと働く従業員だ

東京都立川市にある「メトロール」はスマホや自動車、家電などの製造に欠かせない「精密位置決めセンサー」のメーカーだ。

あらゆる産業に欠かせない縁の下の力持ち

位置決めセンサーとは、工作機械に取り付けられ1000分の1ミリメートルレベルの精密な加工を支えるものだ。たとえば、スマートフォンのガラス加工においてはその刃の位置をピタリと決める。自動車部品のプレス加工においては上型と下型を完全に密着させる。また人命にかかわる医療機器においても、高い精度で部品の位置を保持する。目立たないながらもあらゆる分野の産業に欠かせない縁の下の力持ちだ。

世界シェアトップを誇る精密位置決めセンサー

その精密さを実現するには、さぞかし複雑な回路が入り乱れる基盤が搭載されているのだろうと思うが、実はそうではない。中身はバネだ。アンプを使用しない機械式のため、熱に強く、油や切削した金属片が飛び散るような環境下でも壊れない。そして安い。

いまやメトロールの精密位置決めセンサーは、60カ国以上の国で使われており、工作機械の刃先の摩耗検知に用いられる位置決めセンサーの分野では世界トップシェア。リーマンショック後もすぐに回復し、売り上げはここ10年で4.5倍に伸びた。直近の売上高は約18億円。それを支えるのが、松橋卓司社長と約120人の従業員。約5割はパート社員だ。

次ページ誰が世界品質を支えている?
関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
行き詰まる東電支援<br>原発最後の選択

賠償費用も廃炉費用も想定から大きく上振れし、東電支援スキームは破綻の瀬戸際。東電の発電所を売却し、その代金を賠償や廃炉費用に充て、東電を送配電会社に再編する構想が浮上。