「究極の数学」は驚くほどエレガントで力強い 青木薫が味わうNHK数学ミステリー白熱教室
第2回 天才数学者が決闘死前夜に残した奇跡のメモ
第3回 日本の天才数学者、谷山豊が得た奇跡の着想
第4回 物理学者は、数学者の肩に乗った小人なのか
「数学ミステリー白熱教室」(全4回)が、NHKのEテレで始まった。第1回の放映があったのが11月13日。講師はカリフォルニア大学バークレー校の数学教授、エドワード・フレンケルだ。講義のテーマは「ラングランズ・プログラム」。ラングランズ・プログラムなんて初めて聞く、という人も多いことだろう。なにしろそれは、現代数学の最先端の話なのだから。
数学が持つ美しさとパワー
「”数学”と言われただけで頭が真っ白になるというのに、”現代科学の最先端”なんて、ムリムリ……」と思う人もいるかもしれない。しかし、心配は御無用。フレンケルの「数学ミステリー白熱教室」には、数学者や学生だけでなく、一般の市民も参加しているという。
それに、なんといっても講師であるフレンケル教授は、「数学の美しさは、きっとみんなにわかってもらえる」という信念の持ち主なのだ。楽譜の読めない人だって、すばらしい音楽には胸を揺さぶられる。油絵なんてただの一度も描いたことがない人だって、ゴッホの「月星夜」の前に立てば、その不思議な迫力に心を捕まれるのではないだろうか。それと同じように、数学の美しさとパワーは、きっとみんなに感じてもらえる、と彼は信じているのだ。
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