悲観的な脳でも、楽観的な脳に変えられる なぜマイケル・J・フォックスは復帰できたか
楽観的であること。それが成功の秘訣。しかし、楽観、悲観の性格はなぜ形づくられるのだろうか。オックスフォード感情神経科学センターを率いるエレーヌ・フォックス教授が2009年に発表した論文は、「セロトニン運搬遺伝子」の型が楽観・悲観を決めるのではと示唆するものだった。しかし、だとすれば、性格は生まれながらの遺伝子の型で決まってしまうのだろうか。
ここで意外な人物が、自らの遺伝子を調べてほしいと教授に申し出ることになる。マイケル・J・フォックス。成功の絶頂でパーキンソン病にかかっていることがわかり、再起不能か、と言われるなか、見事にカムバックをはたした「楽観主義」の持ち主だった。フォックス教授によるNHKEテレの「心と脳の白熱教室」のポイントをわかりやすく伝える予習シリーズ最終回は「あなたの性格は変えられるか」。
(第4回の放送は、NHK Eテレで、8月14日(金)23時からの予定)
私は、脳内で感情や気分を安定させるはたらきをしているセロトニンという物質に着目しました。このセロトニンのレベルを保つ「セロトニン運搬遺伝子」は、人によって三つのタイプがあり、それが、楽観、悲観の性格を決めているのではないかという仮説をもって、このタイプと、その人が楽観的か悲観的かわかる認知バイアスとの関係を調べたのです。
楽しい画像と怖い画像、最初に注視するのは?
認知バイアスというのは、画像をみせた時に、楽しげな楽観的な画像か、怖い悲観的な画像か、どちらに最初に注意を払うかによってわかります。
その結果は、セロトニンという物質がより多く出るLL型を持っている人はポジティブな画像に引き寄せられ、発現量の低いSS型、SL型の人はネガティブな画像に引き寄せられるというものでした。
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