「黒田バズーカ第3弾はない」と言える理由 市場が期待する一段の金融緩和策はあるのか
なぜ雇用統計が不調でも米国株は急速に切り返したのか
10月2日(金)発表の米雇用統計は、市場の予想を下回る内容だった。非農業部門雇用者数については、すでに発表の7月分、8月分が下方修正されたうえ、今回公表された9月分も前月比で14.2万人増にとどまり、メドとされる20万人を大きく下回った。
また週当たり労働時間は伸び悩んでいる(9月の労働時間の前年比はちょうどゼロ)。すなわち、労働投入量(=雇用者数×労働時間)の頭が重くなっているわけで、これはそのまま仕事量の伸び悩みと読み替えられる。
米国の経済諸指標をざっと眺めると、内需系の指標、すなわち自動車販売、小売売上高、住宅着工などは、今年初の厳冬や西海岸の港湾ストの影響を脱したのち、概ね回復基調を維持している。すなわち、内需を中心とした米国経済の回復基調自体は、懸念する必要は薄い。この景気の強さが、週末2日の米株価や米ドル相場を、「雇用統計ショック」による下振れから大いに押し戻したと考えられる(同日のNYダウは、ザラ場安値から終値まで459ドル、率にして2.9%も切り返しており、これは2011年10月4日以来の大きさ)。
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