東芝不正会計に潜む「西田流辣腕」の功罪

「縮み上がるような目標を要求してきた」

 8月25日、東芝アメリカの元幹部は、同社の西田元社長を、常に高い業績を求める手強い上司として記憶している。部下にやる気を起こさせる人物だったが、目標を高く掲げ、時として恐れられることもあったという。都内の東芝本社、13日撮影(2015年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 25日 ロイター] - 東芝アメリカの元幹部、トム・スコット氏は、東芝の元社長で相談役だった西田厚聡氏(71)を常に高い業績を求める手強い上司として記憶している。部下にやる気を起こさせる人物だったが、突きつけてくる販売目標は厳しく、時として恐れられることもあったという。

「彼が求めてきたのは、私が縮み上がるような目標だった」──。1990年代に東芝アメリカのパソコン(PC)部門で西田氏と働き、彼の陣頭指揮に強い印象を持ったスコット氏は言う。「情け容赦のない、第二次世界大戦のパットン将軍のようなところがあったが、尊敬に値する人だ。彼の要求は本当に厳しかったが、私も皆も彼からは多くを学んだ」。

攻撃的とも言える西田氏の仕事への取り組みは、イランでの現地採用から東芝グループのトップに上り詰めるという異例の経歴を実現する原動力にもなった。しかし、東芝が大がかりな会計不正発覚に揺れる中、同氏は先月21日、その責任をとって、他の社長経験者2人とともに辞任。そして、かつて同社の躍進をもたらした西田氏のらつ腕ぶりが、会社ぐるみの利益操作という企業スキャンダルの渦中で厳しい視線にさらされている。

非現実的な業務目標

東芝社史に大きな汚点を残した不正会計問題に、西田氏はどう関与したのか。同社の第三者委員会は、先月発表した調査報告で、不正と見られる行為が始まったのは西田氏の社長時代だったと指摘している。当時の西田社長は非現実的とも言える業務目標を掲げ、部下に達成を迫った。その経営姿勢は、後任の佐々木則夫、田中久雄の歴代社長にも引き継がれ、今年初めに証券取引等監視委員会への内部告発で表沙汰になるまで、同社内では利益を水増しする不正会計が続いていた。

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