もしアメリカが利上げしたら暴落になる 日経平均は1万9000円維持が反転の条件

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日経平均がもし7月9日の安値1万9115円を割り込むと、次は4月1日以来の1万9000円前後の攻防に。追加緩和などの「サプライズ」はあるのか(写真:AP/アフロ)

21日の日経平均株価は、2万円の大台を割り込んだどころか、1万9435円と597円もの大幅下落となった。残念だが「当面は2万円前後を維持する」という筆者の見方は短期的には崩れてしまった。だが、長期的に上昇するというシナリオに立てば、今回の下げは格好の押し目でもある。今回の下落の背景を冷静に分析し、今後の株価見通しを再考したい。

「中国の株価下支え策」も万策尽きた?

ギリシャのチプラス首相の辞表提出などの材料も出たが、今回の「世界同時株安」の元凶はやはり中国だ。同国経済への先行き不安を主因に世界的な景気減速懸念が高まっており、投資家心理は急速に悪化した。21日に発表された、中国の製造業購買部担当者景気指数(PMI)速報値は47.1と約6年半ぶりの低水準。節目の50を割り込んだのは6カ月連続で、今回はほぼすべての項目が悪化した。特に生産は約4年ぶりの低水準で、国内・輸出受注の縮小も加速した。

まずは中国市場の当面の不透明感が払拭されない限り、世界の株価反発は見込みづらいだろう。この日の上海総合株価指数は長期的な下値のメドである200日移動平均線を割り込み、これまでの当局による株価下支え策も「いよいよ万策尽きたか」という感覚が市場に急速に広がっている点も懸念材料だ。

一方、日本株は隣の中国市場もさることながら、約70%の売買シェアを握る海外投資家の影響を受ける。「外部要因が改善→海外の株価パフォーマンスが回復→海外投資家が日本株への投資が出来る市場環境に戻る」というサイクルが不可欠だ。

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