安倍首相が内閣支持率挽回に打つ「秘策」

8月11日以降にやって来る「3つの試練」

前回の自民党総裁選は2012年9月14日告示、26日投開票。この時は5人も立候補。安倍首相は当時右端に。自民党はこの時、野党だった(日刊スポーツ/アフロ)

「百里の道を行かんとするものは、九十九里をもってその半ばとすべし」。

柄にもなくこんな言葉が脳裏に浮かびましたな。ハワイ・マウイ島でのTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)閣僚会議(7月28日~8月1日)が、実質合意抜きに終了した時のことである。

TPP実質合意ならず、オバマ大統領は激怒した?

交渉から戻った甘利明TPP担当相は、すぐに官邸を訪れて報告している。このところ逆風続きの安倍首相としては、「これが合意していれば、わが内閣の成果だと喧伝できたのに…」と内心悔やみつつも、甘利さんを頭ごなしに叱責したりはしなかっただろう。

それに引き換え、おそらくオバマ大統領はフロマン通商代表に雷を落としたのではないだろうか。オバマさんは滅多に声を荒げない紳士であるけれども、仮に筆者が大統領であれば、きっとこんな風にどやしつけている。

「お前が大丈夫だと言ったから、閣僚会議をハワイでやらせたんだぞ!」

「地元でこんな醜態をさらしてしまって、俺の面目は丸つぶれだ」

「国際会議を主催すると、カネもかかるんだぞ」

「このままでは合意ができたとしても、俺の任期中にTPP法案の議会批准が間に合わなくなるじゃないかあっ!」

思えば6月24日に米国議会でTPA(貿易促進権限)法案が通ったら、途端に交渉妥結への楽観ムードが流れ始めた。「日米が合意すれば、後は皆ついてきてくれる」とタカをくくったのであろう。日本もまったく同様だが、それまでの駆け引きでヘトヘトになって、日米以外の10カ国の事情をよく考えていなかったのではないか。

次ページ小国を甘く見ていた日米両国
関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
あのころ銀行は<br>無茶苦茶だった

『住友銀行秘史』の著者で元・住銀取締役の國重惇史、元イトマン顧問弁護士の河合弘之、元長銀取締役の箭内昇。平成の金融バブルの最中に起きたイトマン事件の真相と教訓を語る。