私が「バブル相場は続く」と考える7つの理由 人民元切り下げでも強かった日経平均

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とはいえ、やはり先週は嵐に見舞われたように、やはり、当面の懸念材料は中国である。再び中国経済を発端とした波乱はあるのだろうか。

中国が目標とする「年7%成長」の実現を信じているマーケット関係者は少ない。中国が発表する統計数字は当てにならないと言われるが、今の原油安など、商品市況の数字には、嘘はない。

中国経済は厳しいからこそ、需要喚起策が期待される

したがって、われわれが考えている以上に、中国経済の現実は厳しいと思われる。

今回の人民元切り下げは、ドルで資金手当てをしている中国の銀行にとっては、借入額が増え、短期的には利上げと同じことになる。また、関係のある新興国経済にとっては大きなダメージとなり、今までの中国が築き上げてきた外交政策が台なしになるおそれがある。

とすると、結局は早晩内需喚起策が出ると期待されるのだ。

日本企業との輸出競合品は少ないのだから、中国の輸出競争力が上がれば、中国国内の生産に頼る日本企業には逆にプラスだ。つまり、今回の中国関連での不透明材料は、筆者に言わせれば、日本にとってネガティブなことはほとんどないに等しいのだ。

相場は何が起きるかわからない。だが、さらに言えば仮に今よりもっと不透明でネガティブな事象が起こっても、金融相場の中にいる日本の株式マーケットにとっては、その事象は、逆に活性剤の役割を果たすと考える。

オプションSQ週の波乱の1週間が終わり、17日からの相場はしばらく「余裕を持ってのひと休み」となるかもしれない。今週の日経平均の予想レンジは、2万0300円―2万0800円としたい。

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

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