スカイマーク債権者、超強気な説明会の全容 「話さずとも、従業員の魂の叫びが聞こえる」

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序盤は上田弁護士の独演会状態だった(撮影:梅谷秀司)

上田弁護士:債権者案(イントレピッド案)が目指すところの第1点目は、スカイマークが第三極の航空会社としての地位を維持・発展することだ。

スカイマークは寡占状態にある国内市場において、競争環境を生み出そうと設立され、従業員も経営陣もANAにもJALにも属しない独立した第三極としてがんばってきた。これがスカイマークの存在意義であり、原点である。

この原点を考えた時に、どうしてANAがスポンサーでなければならないのか。それ以外の選択肢がないのかを、債権者の皆様には真剣に考えていただく必要がある。

国内市場だから国内の会社がスポンサーでよいじゃないかという考えもあるかも知れない。しかし、国際化の時代にこの理屈がどれほどの正当性を持つのか、私は極めて疑問に思う。消費者の利益を守るという流れの中で、競争環境を維持しようと設立されたスカイマーク。この航空会社が第三極としての存在価値を失うことが、本当に再生にとって正しい選択なのか。そのことを皆様には真剣に考えていただきたい。

「われわれは弁済条件を向上させる」

2点目はデルタによる支援。デルタが共同スポンサーとして参画することで、独立第三極を維持しながらも、一流のエアラインからの支援によって売り上げの増大や運航顧客サービスの改善、ネットワークの拡大ができる。

現状ではANA、インテグラル、スカイマークの間には株主間契約がある。われわれがデルタをスポンサー候補者として推薦しても、デルタがスカイマークやインテグラルと交渉する状況にはない。今後どのように進めていくのか、今はまだ何の話もできない。

デルタスポンサー条件(編集部注:債権者案が可決・認可されること、スカイマークとインテグラル、デルタの3社がスポンサー契約と株主間契約を締結すること、デルタが規制の範囲内でスカイマークへの出資を実行すること、の3点)が満たされるかどうか、不透明じゃないかと疑念を持たれる方があるかもしれない。だが私自身は、デルタスポンサー条件が充足される可能性は高いと思っている。

独立した第三極として競争を促進し、消費者の利益を充実する。これはスカイマークの原点であり、従業員の魂にある思いだろう。私はスカイマークの従業員と話したことはない。しかしながら、従業員の方々の魂の叫びというものが聞こえるような気がする。スカイマークは日本の国内市場において独立第三極として頑張っていくのだ、という魂の叫びがあるのではないかと思う。

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