ピーチとジェットスター、明暗分かれた3年

和製LCCの成功には、何が欠かせないのか

(撮影:尾形 文繁、ヒラオカスタジオ)

2012年は日本の「LCC元年」と呼ばれた。ピーチ・アビエーションが3月に国内初の格安航空会社(LCC)として関西国際空港を拠点に就航し、成田空港を拠点としたジェットスター・ジャパン(同7月就航)、旧エアアジア・ジャパン(同8月就航、現バニラエア)がそれに続いた。

あれから3年。従来の航空会社に比べて安い運賃を特徴とするLCCは、新しい顧客層を開拓。日本で一定の地位を築いたといっていいだろう。ただ、同時期に飛び立った“和製LCC”3社のこれまでを振り返ると、明暗はくっきり分かれている。勝者はANAホールディングス系(38.67%出資)のピーチのみである。

ピーチが羽田に乗り入れ、成田・仙台を拠点化へ

「国土交通省がピーチの羽田空港乗り入れ認可へ――」

4月上旬、主要メディアが報じたニュースだ。ピーチは8月をメドに、羽田-台北(桃園)便の運航を開始する見通し。深夜早朝(夜22~朝7時)時間帯の発着ながら、国内LCCとして初めて羽田に乗り入れる。

羽田乗り入れだけではない。ピーチはこの3月末に成田空港と札幌(新千歳)、福岡をそれぞれ結ぶ路線を開設、すでに拠点化している関空、那覇(沖縄)に続く国内3拠点態勢の構築に向けて布石を打った。2017年夏までに、仙台空港を新たな拠点にする戦略も表明している。

どんどん勢力を拡大するピーチ。収益的な裏付けもある。初年度決算(2013年3月期)こそ営業損失9.6億円、純損失12億円の計上を強いられたものの、続く2014年3月期決算では営業利益20億円、純利益10億円と、早くも単年度黒字を達成した。同期間中の搭乗率は83.7%とLCCの一般的な採算ベースと言われる80%を上回った。

ピーチは2014年夏にパイロット不足による大量欠航を起こしてしまったが、それでも顧客の支持を受けて、その後の搭乗率は平均85%程度と好調。現在、保有する航空機は14機で国際・国内の19路線を運航している。2015年度(2016年3月期)決算における累積損失の解消がほぼ確実な流れになってきている。

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