「不適切会計問題」はなぜ起こったのか
東芝の突然の発表に驚かれた方も少なくないと思います。なぜ、このような問題が起こったのでしょうか。
そもそもの発端は、2014年3月期に計上されたインフラ事業の収益でした。インフラ事業というのは、数年から数十年にわたって行われる息の長い事業です。このような長期のプロジェクトの原価や収益を計算するとき、一般的には「工事進行基準」という考え方を適用します。
これは、工事の進み具合によって、売上高や原価、利益を計上するというものです。工事の完成まで、決算期ごとに進行状況をチェックできるというメリットがある一方で、原価や進捗が意図的に操作できてしまうというデメリットもあります。
今回は、このデメリットが問題になったと言われています。報道によると、一部の工事で原価を少なく見積もったことで、過去3年間で合計約500億円もの利益が、かさ上げされていたというのです(6月12日の日経新聞朝刊によれば、インフラ事業のうち、「電力のスマートメーター」、「自動料金収受システム(ETC)」などインフラ9案件の会計処理で疑念が生じた、と報道されています)。
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