ガンホー、"脱ソフトバンク"で何が変わる? 「ガンホーフェスティバル」で森下社長に直撃

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もりした・かずき●1973年生まれ。ソフトウェア開発会社を経て、2000年にオンラインゲーム受託開発会社を創業。その後、02年にガンホーオンラインエンターテイメントとして現事業を開始。現在、CEO兼企画開発部統括 エグゼクティブプロデューサーとして、ゲーム開発の制作総指揮をとっている

――市場を変更する狙いは?

東証1部市場じゃないと、カバレッジしていない機関投資家がかなりいる。新興市場だと、興味はあっても方針としてカバーしていない場合が多い。これから海外で事業展開する上で、安定株主に加えて海外の機関投資家にも注目してほしい。

――「パズル&ドラゴンズ」のユーザーを抱えていれば、ある程度は安定的な収益が見込める。

見込めるといえば見込める。基本的にブレがあるのは顧客単価だけ。アクティブユーザーが減っているかというと、そんなことはない。

「ガンホーフェスティバル」も昨年より大きな会場で開催し、「パズドラジャパンカップ」の地方予選大会は昨年よりも平均で3倍以上の来場者数だった。ある地方大会では1万2000人集まった。アクティブベースでユーザーは着実に積み上がっている。

これまでも言ってきたが、とにかく顧客単価を上げすぎないようにしながら、適度にコントロールすることが大事だ。10年以上オンラインゲームをやってきて思うのは、物事は何でもほどほどにということ(笑)。

極論すれば、「1か月後に業績を上げて見せてくださいよ」と言われたら、それはできる。でも、そういうやり方が正しいかといえば、僕らのスタンスとしては考えられない。

「別に人のことはどうでもいい」

――今年中に任天堂が人気キャラクターを使った新作スマホゲームを出してくる。ユーザーの裾野を広げるために課金率を抑えてくると、スマホゲーム業界が影響を受ける可能性があるのでは。

スマホゲームとして、本当に新しいゲームシステムのフォーマットが生まれてこないと変わらないだろう。課金の考え方についても、パズドラはセールスランキングの中でもいちばん顧客単価が低い方だと思う。

僕らはユーザーを「広く浅く」で考えているが、もちろん「狭く深い」やり方でランキング上位になるゲームもある。それは会社の考え方やポリシーなので、顧客が満足すればいいと思う。

満足度に加えて、僕らは長く続けられることにフォーカスしている。焚き火にまきをくべるという考え方をしており、まきを入れすぎて火の勢いが強くなると熱くなってみんな離れていくので、適度な暖かさで集まってもらうようにしている。

――スマホゲームで任天堂をライバル視しているのか?

別に人のことはどうでもいい。スマホゲームより面白いものが、ゲームじゃない何かで出てくるかもしれない。ユーザーが取られるのではないかと考えながらやるのは意味がないと思う。一日24時間のサイクルは誰にでも平等に与えられており、どれだけわれわれのゲームに接してもらい、アクティブに遊んでくれるかが重要だ。

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