できる上司は「正しい優先順位」を知っている ずるいけどできる、あの人と働きたい

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上司のあなたとしては、自分の仕事は徹底的に「差別化」業務にシフトして、ほかの処理業務など、コスト系の業務はすべて部下に任せてしまいます。

総じて、自分自身を含めたチーム全体のリソースの最適分配があなたの仕事ですが、自分はより上のほうの仕事に集中し、そのほかの仕事はメンバーや外部の人に振ってしまうということを基本原則として、業務を分配してみてください。

“自分よりも優秀なヤツにやってもらえばいい”ということは、往往にしてあります。

たとえば、ある商品のキャンペーンをする場合、自分よりも部下のAさんのほうがその商品に強ければ、上司ぶらずにAさん主導で進めてもらえばよい。そういう意味では、付加価値業務についても、自分よりも得意なメンバーがいてくれるのであれば、そちらの人を遠慮せずにガンガン使いましょう。

上司のあなたには、自分が任されているチームとしての目標・予算があると思います。プレイングマネジャーの方は、個人の目標も持ちますが、チームリーダーとしては、何よりもまずチーム全体の目標達成が最も重要なわけです。したがって、優秀な部下のほうが自分よりもプレイヤーとして活躍できるのであれば、遠慮なく活躍してもらって、チームとしての総和を最大化したほうがいいわけです。

できる上司は、“苦手なこと”を隠さない

上司になったのだから、すべてにおいて完璧でなければ!そう意気込んでくたくたになる方もいます。昨年ヒットしたディズニー映画ではないですが、上司だって「ありのまま」でいいのです。

私が人材コンサルティング事業を通じて拝見してきた「成功している経営者・リーダーの方々」は、共通して「自分の圧倒的に強いところ」に関してはものすごい迫力で仕事を進めるのですが、意外と抜けているところがある人も多いんです。そのバランスが絶妙なんですよね。

たとえば、スケジュール管理や何か細かな準備や作業が苦手だとすると、そこで気張るのではなくて、「ほんと、僕、だめなんだよね」と言いながら、「てへっ」という感じで部下に回してしまう。そうすると部下もうれしいのです。

コアな業務、クリティカルな業務が苦手では経営者や上司をやってはいけませんが、周辺業務・補助業務などは、結構、苦手だったり、意図的に抜いていたりする。そういうところに関しては、「おまえたちがいないと本当に俺はダメだよ」と言って、気前よく部下たちに任せてしまうのです。

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