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「ジョブ型」の名付け親が斬る日本企業の現在地 濱口桂一郎・労働政策研究所長インタビュー

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労働政策研究・研修機構 労働政策研究所長 濱口桂一郎氏
濱口桂一郎(はまぐち・けいいちろう)/労働政策研究・研修機構 労働政策研究所長。1958年生まれ。83年東京大学法学部卒業後、労働省(現厚生労働省)に入省。政策研究大学院大学教授などを経て、2017年4月から現職。専門は労働法、社会政策。『新しい労働社会』『ジョブ型雇用社会とは何か』など著書多数。(撮影:梅谷秀司)

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サラリーマン人生の終盤が見え始める50代。定年後は「リタイアしてゆっくり」なんて考えていては地獄まっしぐらだ。役職定年や、定年後再雇用で給料が激減してしまうからだ。週刊東洋経済10月28日号では「地獄の役職定年、定年後再雇用」を特集。定年後の給与や待遇といった現実、そして失敗しない55歳からの人生設計についてお伝えする。
週刊東洋経済 2023年10/28号(地獄の役職定年・定年後再雇用)[雑誌]
『週刊東洋経済 2023年10/28号(地獄の役職定年・定年後再雇用)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

人事制度を「ジョブ型」に移行させる企業が相次ぐが、「メンバーシップ型」の要素を残している企業も多い。「メンバーシップ型」と「ジョブ型」の2つの言葉の生みの親である濱口桂一郎氏は、現状をどう見ているのか。

──2年前の著書では、ジョブ型をめぐる誤解を指摘しました。

一部のメディアがメンバーシップ型、ジョブ型を正しく理解せず、「日本はこれからジョブ型で行くしかない」という論調だったことへの憤りもあり、本を書いた。極端な論調はだいぶ落ち着いてきた。

「いいとこ取り」は容易ではない

──ジョブ型を導入する企業はだいぶ増えました。

次ページ「ジョブ型」議論の大部分は中高年の問題
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