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日本企業が「ジョブ型雇用」を続々導入する事情 50代社員の働き方や処遇にも変化が起きている

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日本企業では年功序列の人事制度に起因する問題が顕在化。ジョブ型雇用に活路を見いだす企業が相次ぐ。

リコーの管理職の増田氏
リコーは2022年にジョブ型雇用を導入。59歳の増田氏(右)も部長級で活躍している(撮影:大澤 誠)

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サラリーマン人生の終盤が見え始める50代。定年後は「リタイアしてゆっくり」なんて考えていては地獄まっしぐらだ。役職定年や、定年後再雇用で給料が激減してしまうからだ。週刊東洋経済10月28日号では「地獄の役職定年、定年後再雇用」を特集。定年後の給与や待遇といった現実、そして失敗しない55歳からの人生設計についてお伝えする。
週刊東洋経済 2023年10/28号(地獄の役職定年・定年後再雇用)[雑誌]
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リコーで管理職として働く59歳の増田克己氏は、技術開発センター技術開発統括室で室長(部長級)として30人の部下を束ねる。1989年の入社以来、オフィス用複合機や商用印刷機の設計・開発を担当し、もともとは57歳で役職定年を迎えるはずだった。だが会社が昨年4月に役職定年を撤廃、国内グループを対象に「ジョブ型」の人事制度を導入したため、増田氏は同時期に今のポストに登用された。

この部署は、知的財産や技術戦略策定における側面支援を担う。例えば、会社が掲げるサステナビリティ(持続可能性)の方針に照らし合わせて、原材料の調達や製品の製造でより環境負荷が低い方法を一緒に考える。「さまざまな部署と仕事をするし、経験が生きる領域なので、社内人脈や知見を持つ自分がこのポジションに向いていると思われたのかもしれない」と増田氏は話す。

人事的問題の解決を狙う

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