新NISA、使わなきゃインフレで資産は減るばかり 株・投信で儲けても一人1800万円までは「無税」

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2024年1月から始まる新NISA。非課税期間が無期限になる。20代でも50代でも投資をするのには十分だ
この10月から、証券会社からメガバンク、地方銀行までが、「新NISA(少額投資非課税制度)」の一大キャンペーンを張っている。イベントやセミナーで対面による説明会の開催、WEBを使った著名タレント同士の対談など、あの手この手を使い、”投資初心者”を取り込もうとしている。
株や投資信託の売却益や配当・分配金に対し、一切の税金がかからない新NISA。その新NISAの専用口座を開設できるのは、1人1金融機関のみである。特に若い顧客を取り込めば、新NISAだけにとどまらず、不動産や相続など長期にわたってお客様になってくれるかもしれない。金融機関にとってここで負けるわけにはいかないのだ。
10月16日(月)発売の週刊東洋経済10月21日号では「新NISA革命」を特集。「新NISAの基本的な仕組み」から、「6000本の投信の中からプロがお勧めする厳選7本」まで、幅広く掲載した。まさに資産運用の最前線を描いている。
週刊東洋経済 2023年10/21号(新NISA革命)[雑誌]
週刊東洋経済2023年10月21日号(10月16日月曜発売)の特集は『新NISA革命』。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。バックナンバー常備店はこちら

「日本が遅れていると指摘されてきた資産運用で構造改革を断行する」──。

9月21日に米ニューヨークで講演した岸田文雄首相は「資産運用立国」を宣言した。今後、海外投資家に日本への投資を呼び込むため、資産運用特区の創設などに着手していく。そして国内向けで目玉に掲げているのが、2024年1月から始まる「新NISA(少額投資非課税制度)」だ(図1)。

2014年にスタートした現行NISAだが、新NISAでは内容が大幅に拡充される(図2)。

NISAは通常かかる運用益や配当への税金20.315%が非課税になる制度。この生涯投資枠が、現行ではつみたてNISAの800万円か一般NISAの600万円のどちらかを選ばなければならないが、新NISAでは一気に1800万円まで拡大する。

新NISAでは非課税期間が無期限になる

また投資可能期間については、現行のつみたてNISAが20年間、一般NISAが5年間なのが、新NISAでは何と無期限になるという大盤振る舞いだ。

使い勝手もいい。投資枠1800万円については、一度売って空いた分が翌年復活するから、再投資できる。現行ではつみたてNISAと一般NISAの選択なのが、新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠を併用できる。

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