新NISA、使わなきゃインフレで資産は減るばかり 株・投信で儲けても一人1800万円までは「無税」

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大げさにいえばすべての人間に平等なのは「時間」である。

投資は長期で軸を取るほど有利になる。10年、20年の単位で積立投資をすれば、理論的には平均買いコストを下げ、収益を安定させる。運用力の巧拙とは別に、時間を長く取れることは、絶対的に優位に立てるのだ。平均寿命をざっくり80歳とすれば、20歳なら60年間、60歳でも20年間、投資の時間を取ることができる。遅すぎるということはない。

金融庁のサイトにある資産運用シミュレーションでは、月の積立金額(円)、想定利回り(%)、積立期間(年)を入力すると、元本と運用益の合計を計算できる。例えば月5万円、利回り3%で、30年積み立てると、受け取る合計額は2913万円(図7)。ちなみに、月5万円を30年積み立てると1800万円の元本で、新NISAの生涯投資枠を使い切れる。

投資で元手を倍にするには何年かかる?

参考までに、慶応大学の枇々木(ひびき)規雄教授が提唱した「126の法則」によると、積立投資で元本を倍にする場合、年利回り3%なら42年、5%なら25年超がかかる(図8)。長期でコツコツ積み立てれば、運用力次第では、投資で元手を倍にもできるということだ。

 

繰り返しになるが、週刊東洋経済10月21日号の誌面では、新NISAのQ&Aから、ネット証券の選び方、お薦め投信7選、公募投信ランキングベスト200、さらにはキーマンインタビューまで、網羅かつ徹底的に取り上げた。若年世代からシニア世代まで、投資をするうえでの一助にしてもらえれば幸いである。

大野 和幸 東洋経済 記者

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おおの かずゆき / Kazuyuki Ohno

ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。相続や年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。

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