元フジアナ・内田恭子さんが「20代に送るエール」 20代の決断が一生を決めるわけではない

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(写真:Woman type編集部)

自分らしさの第一歩もまた、「自分はこれが好き」というものを見つけることだと思います。

「友達がやっているから」「将来役に立ちそうだから」ではなく、マニアックでも、人に言えないことでもいいから、「これが好きなんだ」という何かを見つける。

それを大切にしてあげたら、その瞬間だけでも自分らしくいられるんじゃないかな……と言いつつ、自分の20代を振り返ると、当時の私にはそういうものがなかったんですよね。興味があることをやってみる時間も、心の余裕もなかった。

だから会社を辞めた理由の一つは、「このまま30代を迎えたら、私は中身のない人間になってしまうのではないか」という不安でした。 

当時は働き方改革が始まる前だったこともあり、身を粉にして必死で働いていて。

楽しかったし、若くて体力もあったからできたけど、「あと10年この生活を続けられるか」を自分に問うた時、「できない」と思った。

体力的にも、自分自身の人間としての豊かさを考えても、このままではダメだと思ったんです。

20代で何もかも分かろうとしなくていい

あれから約20年がたち、今の私は日々バタバタと、時にミスをしながら働いています。

周囲の皆さんにはご迷惑をお掛けして申し訳ない気持ちがありつつも、完璧にできない自分を責めるのではなく、受け入れながら仕事をしているのは、自分らしいなと思いますね。

「自分らしさ」は絵に描いたようなすてきな自分ではなく、自分が無理をしないでいられることだと思うんですよ。

そして無理をしないというのは、「自分のことを分かってあげる」ことなんでしょうね。

みんな自分に厳しいけれど、もっと優しくしてあげていいと思うんです。ミスをした後輩に「あなた本当にダメね」なんてフィードバックはしないでしょう?(笑)

自分に対しても同じこと。自分を甘やかすわけではなく、「できなかったけど、ここまでは頑張った」と認めてあげることで、自分らしい状態に近づける気がします。

 (写真:Woman type編集部)

ただし、「無理をしない=頑張らない」ではありません。頑張るところと、頑張らないところのバランスの問題です。

そういう意味では、無理をしないって、めちゃくちゃ勇気がいります。周りの目に耐える強さも必要ですからね。

だから、もしかすると20代のうちにバランスを取るのは厳しいかもしれません。

むしろ20代は「自分のキャパを知る時期」と考えた方がいいのでしょうね。頑張っている若い子に「無理しないでね」って言っても、絶対無理しますもん(笑)

頑張り過ぎて疲れちゃうことがあっても、それによって自分の得手不得手を知るきっかけになりますから、人生を通して気長につかんでいけばいい。

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