新幹線のぞみ、全車指定席でも残る「不公平感」 ピーク期の「席取りゲーム」解消だが快適性は?

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東海道・山陽新幹線
東海道・山陽新幹線の「のぞみ」は年末年始やお盆、ゴールデンウィークの3大ピーク期に全車指定席で運転する。普段は博多寄り(手前)の1~3号車が自由席だ(写真:TRP/PIXTA)

JR東海とJR西日本は、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」について、年末年始やゴールデンウィーク、お盆の3大ピーク期に全車指定席として運転すると発表した。

もともと「のぞみ」は1992年3月に全車指定席の列車として運転が開始されたが、2003年10月から自由席車が設定をされて今に至っている。ピーク期限定とはいえ、全車指定席での運転は20年ぶりである。

ピーク期全席指定の理由

もっとも、「のぞみ」と同様の最速達列車である東北・北海道新幹線「はやぶさ」は前身の「はやて」が運転開始した2002年12月から、北陸新幹線の「かがやき」は2015年3月の運転開始から全車指定席での運転をそれぞれ維持しているので、「のぞみ」が全車指定席に回帰したとしてもそれほど不自然な感じはしない。私鉄有料特急やJR東日本の首都圏の在来線特急も多くが全車指定席になっている。

JR東海やJR西日本の発表資料では「日にちや時間帯によっては指定席が早い段階で満席になる」「始発駅以外の駅から乗車の場合に着席や乗車ができないことがある」「指定席を予約しなかった乗客がホーム等で自由席乗車のために長い時間並ぶこと」「自由席への乗降に時間がかかり列車の遅れが発生することがある」ということが全車指定席化の理由として挙げられている。

2023年4月から繁忙期・通常期・閑散期に加えて最繁忙期料金が設定されるなど、利用の分散、混雑緩和のための施策が進められているが、このピーク期限定の全車指定席もその1つといえるだろう。

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