段差なしでバリアフリー「超低床電車」仕組みは? 機器類の配置を工夫、車軸のない特殊構造も

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HU300形
宇都宮ライトレールの超低床電車HU300形「ライトライン」(筆者撮影)
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8月26日に開業した宇都宮ライトレール(芳賀・宇都宮LRT)は、全区間が新規に建設されたLRT(ライトレールトランジット)としては国内初の路線だ。

国土交通省はLRTの整備効果として、交通環境負荷の低減や自動車交通からの転換による交通円滑化、移動のバリアフリー化、そして公共交通ネットワークの充実を挙げている。このうち、移動のバリアフリー化の要となるのが超低床電車の導入で、宇都宮のLRTも全車両が超低床電車となっている。

路面ホームの高さに合わせた床

路面電車の標準的な停留場の高さは300mm程度とかなり低い。一方、旧来の路面電車は台車や床下機器の搭載スペースを確保する関係上、床が高くなってホームとの大きな段差が生じてしまう。そのため車両にはステップが必要となり、バリアフリー化の妨げとなっていた。

そこで、台車や機器配置の工夫によって、車両の通路部分の床をホームの高さに合わせて300mm程度に低くし、乗降のバリアフリー化を図ったのが超低床電車だ。

福井鉄道F1000形 フクラム 出入口
福井鉄道の超低床電車F1000形「FUKURAM(フクラム)」の出入口。ホームとの段差がほとんどないのがわかる(筆者撮影)
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