「社員の7割が障がい者」チョーク会社の誕生経緯 24時間テレビでドラマ化される日本理化学工業

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(写真:biyoro /PIXTA)
日本テレビ系「24時間テレビ46」の「虹色のチョーク 知的障がい者と歩んだ町工場のキセキ」(8月26日夜9時ごろ~)でドラマ化される日本理化学工業。国内のチョーク市場で7割のシェアを持ち、社員の大半が知的障がいがあることで知られるチョーク製造販売会社です。日本理化学工業を「日本でいちばん大切にしたい会社」と評した、経営学者・坂本光司氏の著書『日本でいちばん大切にしたい会社』より一部抜粋・再構成してお届けします(肩書等は2008年刊行当時のもの)。

社員の7割が障がい者の会社

従業員約50人のうち、およそ7割が知的障がいのある方々で占められている神奈川県川崎市のその会社は、多摩川が近くに流れる、静かな環境のなかにあります。

1937年に設立された日本理化学工業は、主にダストレスチョーク(粉の飛ばないチョーク)を製造しており、50年ほど前から障がい者の雇用を行っています。

そもそものはじまりは、近くにある養護学校(現:特別支援学校)の先生の訪問でした。1959年のある日、一人の女性が、当時は東京都大田区にあった日本理化学工業を訪ねてきたそうです。

「私は養護学校の教諭をやっている者です。むずかしいことはわかっておりますが、今度卒業予定の子どもを、ぜひあなたの会社で採用していただけないでしょうか。大きな会社で障がい者雇用の枠を設けているところもあると聞いていますが、ぜひこちらにお願いしたいのです」

障がいのある2人の少女を、採用してほしいとの依頼でした。

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