任天堂、復活のカギを握る「3つの課金収入」

ゲーム機が落ち込んでも利益倍増を計画

岩田社長(左)は、任天堂を再び安定成長へ導けるのか(写真は3月のDeNAとの資本業務提携会見、撮影:今井康一)

「4期ぶりに営業黒字に復帰いたしました」

任天堂は5月7日、2014年度(2015年3月期)の決算発表を行った。売上高は前年度比3.8%減の5497億円へ落ち込んだが、営業損益については2013年度の464億円の赤字から、247億円の黒字へ改善した。携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」が落ち込む一方で、前期に原価を引き下げる会計処理を実施した、据え置き型ゲーム機「Wii U」の採算が大幅改善したことで、黒字復帰を果たした。

決算説明会で岩田聡社長が安堵の表情を浮かべたのも無理はない。ようやく黒字への道筋をつけて、この2015年度は営業利益500億円への倍増を見込む。

ただ、本格回復へは程遠い。任天堂の最大の強みは、ハード(ゲーム機)とソフトが一体になった、ビデオゲーム専用機をビジネスの中核としている点にある。しかし今年度は、前期に刷新した3DSの販売台数が760万台(前年度873万台)に落ち込み、ゲームソフトも5600万本(同6274万本)と縮小を見込む。岩田社長自ら「(3DSの)ハードについては発売から4年を経過し、普及の踊り場から抜け出せたとは言えない」と認めるところだ。

発売から2年半が過ぎたWii Uも、3DS同様に振るわない。前期は「マリオカート8」や「大乱闘スマッシュブラザーズ」といった“2大看板ソフト”の投入で挽回を期したが、復活の立役者にはなれなかった。Wii Uの累計販売台数は954万台になったが、これは発売3年目に累計5040万台を売り上げた「Wii」に遠く及ばない。過去に苦戦を強いられた「ニンテンドーゲームキューブ」さえ、発売3年目には累計1458万台を販売していた。

好採算のダウンロードが牽引役

ハード・ソフトともに販売が落ち込むにもかかわらず、営業益の倍増を成し遂げられるのか。収益を牽引すると見込むのが、ダウンロード販売である。

ゲームソフトは、パッケージを購入するか、ダウンロードで購入するかを選べるようになったが、保管や流通費用を必要としないダウンロードの比率が増えるだけで、採算が改善する仕組みだ。先述したゲームソフトの販売計画には、ダウンロード分は含まれていない。Wii U対応ソフトの場合は、その分を加えると実質プラス計画となる。

好調な業績を生みだす要因は、ほかにもある。今期のポイントとなるのが、3つの“課金収入”だ。まず力を入れているのが、昨年12月に発売したフィギュア「amibo(アミーボ)」。ゲーム機にこのフィギュアをかざすと、内蔵されたチップが反応してキャラクターがゲーム内に登場するなど、リアルとゲームを連動させて遊ぶことができる。ただ、このシステムは2011年に米国アクティビジョンが導入したもので、特段の目新しさはない。

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