任天堂「負の連鎖」、4年ぶり黒字を喜べず 3DSが国内外で苦戦、WiiUも振るわない

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決算説明会で岩田聡社長は、「WiiUは海外市場で勢いが拡大している」と強調した

ようやく水面に顔が出た。

任天堂が1月28日に発表した2014年度第3四半期(4~12月期)決算では、営業利益が316億円(前年同期は15.7億円の営業赤字)と、4年ぶりに営業黒字を達成した。会見で岩田聡社長は「最重点の目標は、崩れてしまった収支バランスの改善だった。任天堂の未来も過剰に悲観視されてしまう」と安堵の表情を浮かべた。

3DS不振が響く

だが、営業黒字化できたのは、前期に据え置き型ゲーム機「WiiU」の在庫損を一括処理した改善効果が大きい。本業は厳しく、年末商戦の結果を受け、通期の営業利益を期初予想の400億円から200億円へ下方修正。今回の“戦犯”は携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の販売減だった。

国内では14年10月、一部機能を改良した「NeWニンテンドー3DS」を先行発売。岩田社長は「過去にもニンテンドーDS展開中に(改良版の)DSiを出し、プラットフォームの寿命が延びた。同じことを期待している」と語るが、利益率の高い3DS向けソフトも減少に転じている。

28日には今期の3DSの販売目標を、前期並みの1200万台から900万台へ引き下げた。2月には欧米市場にも改良版を投入するが、「ゲーム機販売を再びピーク水準まで盛り上げるほどの牽引力はなさそう」と、バークレイズ証券の沖汐勇樹アナリストは見る。改良版の投入で何とか販売数の急減を抑えているというのが現状だ。

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