任天堂が「ミリオン連発」を喜べない事情

手堅く止血作業を進めただけ

レベルファイブの「妖怪ウォッチ」は、テレビアニメなどメディアミックス展開が進む。そうした中、本家本元の任天堂向けゲームも好調だ(写真:日刊スポーツ/アフロ)

任天堂は10月30日、2015年3月期の第2四半期(2014年4~9月)の決算発表を行った。営業損益が2億円の赤字と4年連続の赤字となったものの、第1四半期の赤字幅94億円からは大きな改善が見られた。通期での営業利益予想は400億円と従来のままで据え置かれている。

だが、その内容を精査すると、まだまだ楽観出来る状況ではないことが見えてくる。理由は「ヒットゲームがあっても業績が伸びない体質」と「次に賭ける製品への不安」への答えが出せていないことにある。

「手堅いビジネス」に当面終始か

任天堂は2014年、主力商品であるニンテンドー3DS用のソフトが好調だ。国内で9月に、海外では10月に発売した「スマブラ for Nintendo 3DS」が、9月末時点ですでに322万本の出荷を達成。7月にレベルファイブが発売した「妖怪ウォッチ2 元祖/本家」は実売で約280万本(DL版含む)となり、10月に発売されたカプコンの「モンスターハンター4G」も発売3週間で200万本を突破(DL版含む)した。11月には「ポケモン」の新作「ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア」の出荷が予定されており、こちらも確実に大きなヒットが見込める。ミリオンヒットが連発している状況だ。

だが、この4~9月期の状況を見ると、任天堂の売り上げは前年同期比で12.8%ダウンの1713億円に留まった。収益改善の主因は、円安による為替差益(155億円)だ。

任天堂の売り上げが下がった理由を、任天堂・岩田聡社長は「国内の3DSハード販売が踊り場を迎え、前期に対して減速しているため」と説明している。前年同期に180万台あった販売台数は72万台に減少した。欧米での売り上げはほぼ横ばいであり、国内の目減り分が売り上げ低下につながっている。

現在市場では、立体視の見栄えなどに改善を加えたリニューアル版の「Newニンテンドー3DS」が10月11日に発売され、年末商戦の主軸はこの製品になる。新型の発表は8月末で、新型の買い控えの影響は限定的で、上期の落ち込みの主因とは言い難い。3DSは2011年2月に日本で発売後、3年半が経過しており、新規需要は旺盛とは言い難い。

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