ソニーが残すべきだった、あのブランド 新興国で負け続けるのは、なぜなのか
ソニーが17日に発表したモバイル・コミュニケーション(スマートフォン)事業の中期計画の見直しと、それに伴う2014年度連結業績見通しの下方修正、そして上場以来初の無配転落は、大きな衝撃を与えた。
しかし、ある意味では必然と言うこともできる下方修正だ。
その理由のひとつは、ソニーの平井一夫社長が年度初めから繰り返し語っていた、「なんとしてでも、構造改革をやりきる1年にする」という宣言を実行したに過ぎない、という点だ。
事業見直しは宣言通りの行動
もともとソニーは、2014年度見通しとして、営業黒字と経常黒字の計画を掲げていたが、その一方で最初から約500億円の最終赤字の見通しを立てていた。
ここ数年、不動産売却を営業利益に計上することで営業黒字を繕ってきた平井ソニーにとって、この年初計画時点での最終赤字の意味は、500億円という赤字幅そのものよりも、赤字を出してでも構造改革をやるという姿勢を示したものとの見方が一部に出ていた。それを裏付ける動きが、今回の下方修正であり、人員削減、そして上場以来初の無配というわけだ。
今回の下方修正では、スマホ分野における営業権全額の減損として、約1800億円を営業損失として計上。それをそのまま営業利益、経常利益、最終利益の修正に反映している。営業損益は1400億円の黒字見通しから400億円の赤字に、税引前損益は1300億円の黒字から500億円の赤字に、当期純損失は500億円の赤字から、2300億円の赤字といずれも1800億円の下方修正だ。
さらに、スマホ事業に従事する7100人の社員のうち15%に当たる約1000人を、2014年度中に削減する計画も明らかにしたが、これによって発生する構造改革費用は、今回の下方修正のなかに含まれていない。さらに赤字幅は拡大する可能性が高いわけである。
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