「カネを貯め込んでいる会社」トップ300

あり余るキャッシュ、どう使いますか?

おカネを貯めるか使うか、企業にとってさじ加減は難しい(kai/Imasia)

「給料日は毎月25日」というビジネスパーソンは少なくないだろう。今月(2015年1月)は25日が日曜なので、あす金曜(1月23日)に前倒しで給料が支給される会社も多いはずだ。社員の給料や取引先への各種代金、税金の支払いなど企業が存続していくためには、何かとカネがかかる。一般家庭もそうだが企業もカネが回らなければ、極端な話、経営破綻してしまう。

そんな企業の財務健全性を示す指標がネットキャッシュ。現預金と短期保有の有価証券の合計額から有利子負債を差し引いた額だ。企業の実質的な手元資金であり、これが多いと財務的な安全性が高いとされ、不況に対する抵抗力が強いといえる。

東洋経済オンラインは、このネットキャッシュを豊富に持っている会社を上場企業の直近決算から割り出し、トップ200社をランキング。「最新!これが『金持ち企業』トップ200社だ!」として2014年12月30日に配信した。このランキングは各方面から多大な反響を得たが、今度はネットキャッシュをベースに少し切り口を変えたランキングをお届けしよう。名付けて、「カネを貯め込んでいる会社」トップ300だ。

集計対象としたのは約3500社の上場企業。ネットキャッシュを100億円以上持ち、有利子負債依存度が10%以下の会社のうち、それぞれの「総資産」に占める割合(純現金総資産比率)の高い300社をランキングした。今回はネットキャッシュをより厳密にするため、顧客や取引先から前もって代金を受け取っている「前受金」も差し引いて算出した。多少の時期のズレはあるが、直近本決算のデータを用いた。参考データとして社員の平均年収と平均年齢も併載した。

総資産とは現金、預金、受取手形、売掛金、棚卸資産などの「流動資産」、土地や建物、営業権、商標権などの「固定資産」、すでに対価の支払いが終わり、得られる役務の効果が将来にわたって発言すると期待される「繰延資産」などの会社の資産をすべて合算した数値。会社を構成する財産の大きさそのもので、細かく構成を見ていくと実態も分かる。いわゆる貸借対照表(バランスシート=B/S)に記載された数値である。

「総資産の半分超がキャッシュ」は40社

純現金総資産比率は、会社を構成する資産のうち、いわゆる手元資金がどれぐらいの割合なのかを示す。高ければ高いほど、カネを貯め込んでいるともいえるし、ある意味では持て余し気味になっているともいえる。もちろん、財務的な安全性は高いだろう。

1位はオンコセラピー・サイエンス。その純現金総資産比率は約96%だ。がん治療ワクチンを柱とする創薬ベンチャーだが、会社の資産のほとんどがキャッシュということになる。ただ、バイオベンチャーは新薬の開発に時間がかかり、オンコセラピーの場合、直近2年は赤字が続いている。手元資金を潤沢に持っておくという選択肢が必要な局面といえるのかもしれない。

2位のザインエレクトロニクスは、工場を持たないファブレスの半導体メーカー。開発に特化しており、その点で固定資産が少ないことが純現金総資産比率を高めているようだ。表にも注記しているが、3位のGMOペイメントゲートウェイと6位のウェルネットは決済を主体とした金融サービス企業であることを留意されたい。

土地や建物、生産設備を持たない業種・業態の企業が上位に目立つものの、メーカー系の姿も少なくない。総資産の半分(50%)超がキャッシュになっているのは40社。1000億円以上のネットキャッシュを持っている会社でみると、遊技機大手のSANKYO、ファナック、任天堂、ヤフー、キーエンスなどの名前が目につく。

手元資金を厚くしておくことは、企業経営者や財務・経理担当者にとって安心できることでもある。一方で、業種や業態、事業内容などによって、総資産に占めるキャッシュをどれぐらい持っておいたらいいかはマチマチながらも、ネットキャッシュがかなり潤沢であるにもかかわらず、成長が止まっていたり、株価が低く時価総額が大きくなかったりする企業は、成長のための投資や株主の還元という意味で、手元資金を持て余しているという見方はできる。

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