惜しまれつつ閉店した「巨大商業施設」ランキング 外商に強みの東急百貨店渋谷店は55年の歴史に幕

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2023年1月に営業を終了した東急百貨店渋谷・本店(写真:東京スポーツ/アフロ)

消費動向や人の流れの変化、ネットショッピングの台頭といった中で、かつて賑わっていた商業施設も営業終了を余儀なくされることがある。本稿では、2018年以降に閉店した商業施設の中から、店舗面積の大きい順にランキングを作成した(※2000年5月以前は「大規模小売店舗法」、2000年6月以降は「大規模小売店舗立地法」公表ベース)。

店舗面積は東京ドームとほぼ同等

「全国大型小売店総覧2024年版」は7月24日発売。刊行物法人向けデータでは、本記事では掲載していないない、詳細な設置会社名や所在地、業態、駐車場の収容台数などの情報を掲載しています。

首位は愛知県にあった「イオンモール名古屋みなと(イオン名古屋みなと店)」(最寄り:国道23号)。開業は1999年で、店舗面積は東京ドーム(約4.7万平方メートル)とほぼ同程度だった。近隣に競合する商業施設ができたことなどでテナントが減少、2021年2月に営業を終了した。

2位は福岡県にあった「クロサキメイト(井筒屋黒崎店)」(最寄り駅:JR鹿児島本線・黒崎駅)。井筒屋黒崎店は1959年、別の場所に「八幡店」として開業した後に、2001年に移転したが、周辺に競合施設が増え売り上げが低迷。2020年に閉店した。

5位の「渋谷開発ビル(東急百貨店渋谷・本店)」(最寄り駅:JR/東急/京王/地下鉄・渋谷駅)は2023年1月に営業を終了し、55年の歴史に幕を閉じた。跡地には、東急グループやLVMHグループ系の不動産開発会社が複合施設を開発する計画で、2027年度の竣工が予定されている。

同店のすぐ西側には都内で有数の高級住宅街が広がっている。同店は、そうしたエリアや東急沿線に居住する富裕層顧客向けにサービスを提供する「外商」に強みがあったが、今後は顧客基盤をめぐる競争も激化しそうだ。

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