女性と男性「家事能力の差」生まれる社会的な背景 「家事マウンティング」では状況は改善しない

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昭和型から令和型家事への移行過渡期で、男性が置かれている過酷な状況についても話が及んだ(写真:Satoshi KOHNO/PIXTA)
SNSを通じて食事作りや洗濯など家事の大変さを語る人が増えてきたが、それでも家事が無賃であることは変わりないし、家事の量が減っている、ということもない。そうした中、家事代行やミールキットなど家事の負担を軽くするサービスも少しずつだが浸透している。
2020年2月からサービスを始めた惣菜宅配サービス「つくりおき.jp」もそんなサービスの1つだ。同サービスを運営するAntway創業者の前島恵社長と、『家事は大変って気づきましたか?』の著者で、食生活ジャーナリストの阿古真里氏が家事について語り合った対談では、昭和型から令和型家事への移行過渡期で男性が置かれている過酷な状況についても話が及んだ。
第1回:日本人が「一汁三菜」に強いこだわりを持つ事情
第2回:「家事は知的労働に劣る」という発想の大問題

3、40代の男性の意識はだいぶ変わってきている

――阿古さんが家事に関する本を出されたり、家事に関する記事も少しずつ増えてきていますが、世の中の感覚はどの程度アップデートされていると思いますか。

阿古:前島さんのような30代ぐらいの男性たちが普通のこととして料理をしたり、子どものオムツを替えたりという方々が、だいぶ増えてはいますよね。私たちのころはそういう人はほぼいなかったので、少しずつは変わってはきているとは思います。

そういう中で、せっかくやる気になっている30代の子育てパパが、「子どものお迎えがあるので帰ります」って言ったときに、「どうぞ」と職場が送り出してくれるかどうかが重要ですよね。そこで上司が、「そんなの奥さんにやってもらえばいいじゃないか」ってなると、男性の意識が家事に向いていてもやらなくなってしまう。

次ページ男性に「平等にやれ」というのはムーブメントを減速させる
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