独占!新日鉄住金を揺さぶる男、かく語りき

対立するブラジル合弁相手のCEOが激白

ダニエル・ノベヒル(Daniel Novegil)●ブエノスアイレス大学工業技術学科を卒業後、1978年にテチント・グループ(テルニウムの親会社)に入社。1984年にスタンフォード大学大学院経営学部修了(経営学修士)。2005年からテルニウムCEO、2012年からウジミナスの取締役を兼任
 ブラジルの鉄鋼大手、ウジミナスが揺れている。ともに同社の大株主である新日鉄住金と南米の鉄鋼メーカー・テルニウムが、経営権をめぐって対立しているのだ。
 対立の発端は昨年9月にさかのぼる。「役員報酬の不正な受け取りがあった」として新日鉄住金がウジミナスのCEOと2人の副社長を解任したことが、そもそものきっかけだ。3人の執行役員はいずれもテルニウム出身だった。
 「定められているすべての意思決定手続きにのっとり、解任を決定した」と、新日鉄住金は説明する。ただ、テルニウムは「役員報酬は取締役会で承認されていた」「株主間協定に反している」と反発。現地の裁判所に3人の解任決議の無効を訴えている。
 それから半年後、今年4月6日に開かれたウジミナスの臨時株主総会でも、誰を取締役会の新たな議長に据えるかをめぐって両社は火花を散らした。
 新日鉄住金は執行役員の解任にもかかわったパウロ・ペニード前議長の続投を望んだが、当然ながらテルニウム側は反発。同社は新日鉄住金ともテルニウムとも関係のないウジミナス従業員年金基金から経済学者のリタ・フォンセカ氏を推薦した。結局、両社は合意することができず、一般株主代表の中から弁護士のマルセル・ガスパリーノ氏が選出された。
 だが、総会後も両社は振り上げた拳を下ろしてはいない。対立はなぜここまで長期化しているのか。そして、今後はどうなるのか。テルニウムのダニエル・ノベヒルCEO(最高経営責任者)が東洋経済の取材に応じた。

新日鉄住金を尊敬し、評価している

――テルニウムは2012年にウジミナスの経営に参画した。どういう経緯だったのか。

われわれは1969年にアルゼンチンで誕生して以来、新日鉄住金と良好な関係を築いてきた。私もキャリアの中で旧新日本製鉄、今の新日鉄住金といろいろな形で関係を持ってきた。

2010年にはメキシコの自動車鋼板用の加工拠点を合弁で設立することに合意し、2013年に稼働させた。現在も非常に順調にいっている。私は新日鉄住金を尊敬しており、技術力については非常に高い評価をしている。

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