新日鉄住金、報告書に浮かぶ連続事故の真因

なぜ1年間で5度もトラブルが起きたのか

愛知県の大村秀章知事(左端)と面会する新日鉄住金の進藤孝生社長(右端)ら=7日午後、愛知県庁(写真:共同通信)

「これが新日鉄住金ではなく、別の会社だったら、つぶれてもおかしくない事故だった」――。ある鉄鋼業界の関係者がそう語るのは、新日鉄住金・名古屋製鉄所で立て続けに発生した事故のことだ。

同製鉄所では、2014年の1年間で5度も事故が起きた。1月に2度、さらに6月と7月には、所内で停電が起き、石炭を蒸し焼きにするコークス炉から黒煙が発生。さらに9月には、コークス炉で火災が起き、新日鉄住金の従業員11人、協力会社の従業員4人が重軽傷を負った。5度の事故にかかわる損失は300億円を超えている。

新日鉄住金は昨年11月、4回目までの事故の経緯と対策について報告書を公表している。そして、今月7日に5回目のコークス炉での火災事故についての事故調査報告書と対策を取りまとめた。同日、進藤孝生社長をはじめとする幹部たちが報告書を手に、愛知県や東海市など地元自治体へお詫びに回った。

事故の原因は老朽化ではなかった

名古屋製鉄所は自動車用鋼板が主力製品で、年間の粗鋼生産量は600万トンを超える(連結ベースの2014年度生産量見通しは4760万トン)。新日鉄住金にとって基幹となる製鉄所の1つだ。

同じ製鉄所で立て続けに事故が起きた理由について、当初は設備の老朽化や技能伝承が正しく行われていないのではないか、といった報道が相次いだ。しかし、今回公開された100ページ近い報告書を丹念に読んでいくと、事態がもう少し複雑だったことがわかる。

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