戦闘が一気に勃発「スーダン」なぜこうなったのか 交渉の一方で戦闘準備していた2人の将軍

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ブルハン将軍
国軍を率いるブルハン将軍(写真)と、準軍事組織が衝突により、スーダンでは激しい戦闘が勃発した(写真:Dave Sanders/The New York Times)

スーダンの両将軍は、平和について語りながら戦争の準備を進めていた。

スーダンが壊滅的紛争に陥る前、同国の最も有力な2人の将軍は合意にじりじりと近づきつつあった。アメリカとイギリスの仲介者は、この合意が爆発寸前の対立を緩和し、この広大なアフリカの国を民主化に導くことを期待していた。

その賭け金は著しく高かった。民衆革命によりスーダンの30年来の独裁者が打倒された2019年以来、民政移行はこのいがみ合う2人の非情な将軍によって引き延ばされていた。今や、彼らに権力を譲らせるための合意は1つの問題によって遅らされていた。

外国の特使らは合意を実現すべく、統治評議会議の議長、アブドルファタハ・ブルハン国軍最高司令官と、副議長のムハンマド・ハムダン・ダガロ司令官と、長時間の会合を何度か開いた。約束がなされ、譲歩が引き出された。彼らはブルハン将軍の家で食事を共にすることまでした。

見せかけの対話は一瞬にして崩れた

しかし街中では、相対立する2つの軍事勢力は戦闘への準備を進めていた。

その日の夜、首都ハルツーム各地の敵陣営の軍事キャンプに軍隊が静かに押し寄せ、まるでサッカー場で対戦する選手たちのように互いをマークした。準軍事組織(即応支援部隊=RSF)の戦闘員らは、スーダン軍に味方している強力な隣国であるエジプトから来た戦闘機が収容されている基地を包囲した。

4月15日朝、最初の銃声が響き渡った時、見せかけの対話は一瞬にして崩れ去った。

この5日間、ハルツームやスーダン各地で戦闘が繰り広げられ、数百人の命が奪われるとともに、このアフリカで3番目に広い国土を持つ国の不安定で予測不可能な一章が開かれた。19日、不完全な24時間停戦の間に、食料も水も電気もないまま自宅に潜んでいた住民らの一部は急いで逃げ出した。戦闘が間違いなく続くと思ったからだ。

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