「いい睡眠」「悪い睡眠」脳内で起きる圧倒的な違い 翌日のパフォーマンスが大きく違う納得理由

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睡眠は私たちの身体だけでなく、脳の働きも回復させます(写真:naka/PIXTA)
誰もが求める「よい眠り」のもたらすリターンは想像以上に大きいことが近年の研究から明らかになっています。では、具体的にどんなメリットが得られるのでしょうか。睡眠研究の第一人者、米スタンフォード大学教授・西野精治氏が『最高のリターンをもたらす超・睡眠術 30のアクションで眠りの質を高める』(西野精治・木田哲生)より、質の高い睡眠が脳のデトックスにつながる仕組みについて解説します。

「よい睡眠」の間に脳の中で起きていること

睡眠は私たちの身体だけでなく、脳の働きも回復させます。ぐっすり眠れた日の翌日は頭がすっきりしてコスパが上がったという体験は、どなたにもあるでしょう。では、ぐっすり眠って翌朝すっきりした頭で目覚めてコスパが上がる「よい睡眠」の間に、脳の中ではどんなことが起きているのでしょうか。

質のよい眠りは、脳の奥深くに存在する大脳周縁系にあり「記憶の港」とも呼ばれる海馬を大きくすることが、これまでの研究によって明らかになっています。そして、記憶の港である海馬が大きくなればその分、一度に多くの情報を留めることができる──つまり、質のよい睡眠は記憶力をよくするのです。

「黄金の90分」とも呼ばれる眠りの最初に訪れる深いノンレム睡眠の間に、海馬から大脳皮質への情報の移動が行われます。この深くよい眠りの恩恵に与ることができれば、脳のコスパは最大限に上がるといえます。「最近、仕事の効率が悪い」「年齢には勝てないな」などと嘆いている方こそ、睡眠への意識を変え、最初の90分をしっかり眠る習慣をつけるべきでしょう。

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