ローソンは、一流の上司をどう育てるか? 赤羽雄二×ローソン玉塚元一社長が激論!

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赤羽:ローソンには加盟店オーナーが1万数千店いらっしゃるわけですが、どうやって加盟店オーナーの方に、より元気になっていただくこうとお考えですか。

玉塚:加盟店のオーナーさんと本部は、同じ目標を持つ運命共同体です。本部の役割としていちばん大事なのは、いい商品を作って、きちんと市場に伝え、お客様から評価をいただいて、ローソンブランド全体を強くすること。その結果として加盟店の収益が上がる仕組みを作ることです。

もうひとつは、お店のPLに責任を持つことです。物流のやり方を変える、技術改善により販売許容時間を延ばして廃棄を減らすとか、発注システムを抜本から見直し人件費を減らすとか、これらがお店の生産性を上げることにつながります。そのうえで、お店には品ぞろえや接客などのさらなる改善をお願いします。

そもそも論として、本部が提供する商品やサービスをより魅力的なものにして、収益が上がる構造にする。それができていないところで、コミュニケーションをいくら改善しても本当の信頼は生まれません。

本部が「なぜこれに取り組まなければならないのか」をきちんと伝え、“WHY=なぜ”を共有することが大事なのです。

個人のスピードが組織のPDCAを早く回す

赤羽:仕事のスピードについてはどうお考えですか。

 『世界基準の上司』(KADOKAWA/中経出版)

玉塚:赤羽さんが重視していらっしゃる仕事のスピードは、私もとても大事だと考えています。スピードを上げる、というと、「仕事のクオリティが下がる」とか「乱暴だ」と言う人がいるのですが、違うと思います。

私たちが商売をしているそれぞれのマチは、今、激しく変化しているし、お客さんの心情も変化している。必要なのは変化対応力なんですね。適切に変化していくためには、「変化対応するぞ」という掛け声だけじゃなく、PDCAをとにかく早く回すしかないのです。

赤羽:そうですね。スピードは、自分でコントロールして上げられます。だから、スピードが質もやる気も連れてくるんですね。

玉塚:結局、スピードを上げることは、上司と部下の仕事の生産性を上げることになります。仕事のスピードが上がって、クオリティが上がれば。確実に生産性も上がる。こうなるとPDCAのサイクルも早くなり、変化対応力も上がっていくのです。

赤羽:個人のスピードが、組織全体を変えるということですね。本日はありがとうございました。

 

東洋経済オンライン編集部

ベテランから若手まで個性的な部員がそろう編集部。編集作業が中心だが、もちろん取材もこなします(画像はイメージです)

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