「データ量無制限」を自宅と出先で使うには? 通信環境をスッキリさせる、有力な選択肢

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しかし、W01の魅力はそれだけではない。UQコミュニケーションズは、下り最大40Mbpsの規格であるWiMAXが利用していた帯域の一部を、下り最大110MbpsのWiMAX 2+へと変更した。そのため、WiMAX 2+での通信のキャパシティが倍増している。

その上で、W01はキャリアアグリゲーション(CA)に対応するため、下り最大220Mbpsを実現する。現在対応エリアは拡大中だ。110Mbpsという理論値もこれまでのWiMAXと比べれば倍以上のスピードだが、さらに速くなることを考えると、かなり快適な通信手段へと進化することになるだろう。

また、W01はau 4G LTEを利用する事ができる。もしも出張などでWiMAX 2+のエリアの外になってしまった場合でも、よりエリアが広いauの電波を拾うことができる。月額1005円で、au 4G LTE通信部分で7GBを超えると、WiMAX 2+も含めた通信全体に制限がかかるので注意が必要だ。

au 4G LTEをサポートしない代わり、旧来のWiMAXをサポートする「Speed Wi-Fi NEXT WX01」も発売される。このモデルは、前述の4×4 MIMOによって下り最大220Mbpsをサポートするため、CA対応エリアが広がる前から、高速通信を体験できる。

新たなモバイルの快適さを

データ量が無制限というのは、開放感があり、自由度も高い。

筆者は米国でこれまで、iPhoneでVerizon Wirelessの回線を使っており、毎月2GBのデータ通信のプランだった。やはりYouTubeのビデオを見るのは避け、ビデオチャットはWi-Fiを拾ってからかけ、写真のアップロードも家に帰ってからしかしなかった。

これをデータ無制限のT-Mobileに乗り換えてから、どこでも大きなデータのやりとりをするし、ストリーミングの音楽で普段過ごすようになり、YouTubeもNetflixも見放題になった。外出先でも仕事やリラックスがしやすくなったのだ。

日本のスマートフォン向け料金プランは米国に比べて価格は抑えられているほうだと思うが、それでもデータ通信量の制限は、コンテンツやアプリの楽しみまで制限することになる。

もし自宅や新生活を始める新居がWiMAX 2+のエリアに入っているなら、スマートフォンのデータプランを安く抑え、固定回線としてWiMAX 2+を選び、高速回線を持ち運ぶ、という選択肢を検討してみると良いだろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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