大紛糾の「都立高校入試」乱暴すぎる改革の中身 「有利な人」「不利な人」を生む驚きのカラクリ

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来年の都立高校入試を数カ月後に控え、現場は大紛糾しています(写真:Caito / PIXTA)
「身の丈に合わせて頑張って」
3年前、大学入学共通テストへの民間試験の導入が紛糾。当時の萩生田光一元文部科学相による受験生への失言の末に見送られた。記憶にある人も少なくないのではないだろうか。
今、同じような騒動が、来年2月に行われる都立の高校入試を舞台に起きつつある
いったい何が起きているのか。この問題に詳しい武蔵大学の大内裕和教授が、その焦点について詳しく解説する。

都立高入試に新導入の「英語テスト」の波紋

来年度からの都立高入試の重要な変更について、その問題点が最近知られるようになり、中学3年生と親、また教育現場に大いに動揺が広がっています。

具体的には、東京都教育委員会が、都立高校入試に「ESAT-J(イーサット・ジェイ)」という「前受けテスト」の導入を進めることにしたのです。

これはタブレットを使ったスピーキングテストです。タブレットに向かって話しかける、ちょっと特徴的な内容です。東京都内の公立中学校3年生を対象とし、11月27日に行われます

そして、都立高校の入試にこのESAT-Jのテストの点が、総合得点の一部として加算されることになりました。

これにはいくつも問題点はあるのですが、ここでは受験生の合否に直結することを取り上げてご説明します。

次ページ受験者全員が必須でなく、不受験者にも点数がつく
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