「配布会が救い」月8万で生活する母子世帯の現実 「助かるのは紙オムツ。買うと千円はします」

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フードバンクの品々
練馬あったかフードバンクが開いた配布会で、母子家庭の母親(33)が受け取った品々。配布会には医師や弁護士も参加し、希望者は相談もできる(写真:編集部・野村昌二)
物価高なのに給与が上がらない中、「年収200万円」が話題となった。とくに深刻なのが母子世帯で、生活困窮者を支える活動が各地で懸命に続く。国に求められる対策を専門家に聞いた。AERA 2022年8月29日号の記事から紹介する。

重要性増す生活困窮者への支援

貧困対策として重要性が増しているのが、生活困窮者を支える活動だ。

当記事は、AERA dot.の提供記事です

7月18日、東京都練馬区。「練馬あったかフードバンク」が開いた配布会には予約した人が次々と訪れた。

「いちばん助かるのは紙オムツです。買うと千円はしますから」

小学1年の息子(6)と暮らすシングルマザー(33)は、受け取った配給品を手に笑顔を見せた。

コロナ禍でアルバイト先が倒産。飲食店でのバイトを見つけたが、店の都合で勤務は週2日だけ。収入は月3万円程度にすぎない。実家で暮らし、児童扶養手当を月5万円近くもらっているとはいえ、生活はカツカツ。そんなとき、スマホで見つけたのが練馬あったかフードバンクだった。

毎回足を運び、この日は紙オムツのほか、野菜、パスタの麺、ホットケーキの粉、しょうゆ、マスクなどを受け取った。この女性は言う。

「洋服や化粧品もいただいていて、配布は本当に助かります」

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