「熱帯雨林保全」と「貧困削減」をどう両立させるか 農村部の「集積の経済」を考慮した政策設計がカギ

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アマゾン川源流探検
(写真:空/PIXTA)

熱帯雨林の保全は、気候変動対策と生物多様性の保護における中心的要素だ。一方、熱帯雨林地域の多くの人々の生活水準は低く、森林資源に依存して収入を得ている。政策立案者は、熱帯雨林保全と地域住民の生活水準向上とのトレードオフに直面する。

例えば、森林伐採の費用負担を重くし森林伐採が減少したとしても、それによって使用できる農地が減り農業収入が減少すれば、地域住民の厚生は損なわれる。

生産部門間または経済活動の空間的な再配分により、保全政策の目標が損なわれる可能性もある。例えば、森林伐採の費用が増えると、人々は農業から漁業・狩猟などほかの資源採取に移行し、生物多様性が減少するかもしれない。また、保護政策により特定地域での資源採取を禁止すれば人々はほかの地域に移動するため、広い範囲での資源枯渇への影響は不明だ。

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