最近、心の中の悪魔が、とんでもないことをささやいている。こんな素朴な疑問だ。
「ベテランアーティストに、新曲は必要ないのでは?」
……石を投げないでいただきたい。私は好きなアーティストの新譜は、必ずおカネを出して買っている。そんな私がこんなことを考えてしまい、不思議な気分になったのだ。
きっかけはモトリー・クルーのライブ
2月14日、私は仲間とさいたまスーパーアリーナで「モトリー・クルー」という、米国のハードロックバンドの来日公演を見てきた。同バンドは今回のワールドツアーをもって、活動停止することを宣言している。「ロックバンドの解散とプロレスラーの引退は信じちゃいけない」と大槻ケンヂが言っているように、また再結成などあるかもしれないが、最後は最後だ。10代の頃に死ぬほど聴いた大好きなバンドが、もう見られなくなるかもしれないのだ。私は以前リクルートで働いていたのだが、そんなリクルート出身者のことを表す「元リクルート(元リク)」とも発音が似ているのもポイントだ。
少しだけライブのレポートをしよう。開演1時間前に会場の最寄り駅である、さいたま新都心駅に到着した。そこにはライダースジャケットなどを着た、いかにもロックなアラフォー男女が集結していた。1980年代に同バンドにハマったであろう「その筋の人」だらけだった。
私も高2の時に、お年玉で買ったSCHOTT(ショット)のライダースジャケットで参戦した。妻からは「バレンタインデーに家を空けるなんて……」ということ以上に、「その格好は、ないのではないか?」とツッコまれた。でも、思い切って高二病の時に買ったこの服のおかげでこの格好だったので、浮かずにすんだ。
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