就活生諸君、「学歴差別」を直視せよ 納得内定には、大学をとことん使い倒そう

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いよいよ2015年の就活がスタート!(写真:cba / Imasia)
 東洋経済オンラインに集いし労働者・学生・市民諸君!「若き老害」こと常見陽平である。今日は3月1日だ。そう、日本経団連が「採用選考に関する指針」で定めた「採用広報活動」が解禁される日。現在の大学3年生の就活が本当にスタートする日である。就職ナビがオープンし、各社の企業説明会も始まる。
 まあ、経団連加盟企業以外を中心に、フライングしている企業はとっくに内定を出していたりもするのだけどな――。「今日から始まるなぁ」なんて思っている時点で、情報感度が低すぎる。就活の歴史というのは、就活時期論争の歴史であり、何度も見直され、結局、破られるという歴史を繰り返してきた。
 今回は、学生諸君とその保護者のために、長年の就活研究を通じてたどりついた、就活の秘技を伝授する。納得のいく内定に、できるだけ負荷をかけずに至るための方法が、ある。
 名づけて、DTTだ。
 何の略か?「大学(D)をトコトン(T)使い倒す(T)」の略である。
 色々探し求めて迷うが、大切なものはすぐそばにあるというのは、名作『青い鳥』のメッセージそのままである。君たちは何のために、苦労して(いや、少なくともおカネをかけて)大学に入ったのか。あの立派な大学の入試ホームページ、入学案内に描かれていた施設や制度を、ちゃんと使ったのか?
 というわけで、最新作であり学歴差別なども含む、日本の就活の選抜システムを明らかにした『「就活」と日本社会』(NHKブックス)の内容をもとにしつつ、今どきの就活必勝法、特にDTT就活法をここに紹介する。

学歴差別を受け入れよ

最初にこう叫びたい。

「学歴差別は、ありまぁす!」と。

採用アウトソーシング企業や、企業の人事担当者に本音を聞くとこれは明らかだ。偏差値●●以上だとか、特定の大学名に該当しない限り、会社説明会の予約を取れないようにしたり、エントリーシートを読まないようにしたりするなどの手がある。ちなみに、人気企業ランキングがまだメディアで話題になっていた頃は、人気アップのために、採りもしない大学の学生を会社説明会や面接に呼んで、やさしく接して落とすという高等テクニックもあった。

これは、昔からあるし、さらに就職ナビの時代になり、自由応募により母集団が膨張したこと、実態はともかく大学生のレベル(採用担当者は“質”と呼ぶんだぜ)に対する不安もあることからさらに進んでいると言える。

ただ、この手の話は正式な取材ルートでは話してくれるわけはないので、いつもウヤムヤになってしまう。就活コンサルタントなど、内定のお手伝いをしておカネをもらっている人などからすると、学歴差別を認めると、努力しても無駄ということがあり、商売あがったりになってしまう。もちろん、学歴差別のことにふれるだけで、ネットでは炎上してしまう。現役学生以外もそこで妙な学歴コンプレックスに火がついてしまうのだ。

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