歴史的「新卒大量入社」の後に来る"余波" 数年後に起きる「あの問題」も覚悟しよう

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(写真:cba / Imasia)

新卒採用数が大幅に増えた(と言われる)「2015年度組」が入社するまで、あと2カ月を切りました。

新入社員の「受け入れ」準備には、大変な手間がかかります。まずは人事部が社会人としてスタートする心構えや、ビジネスマナーを指導する導入研修を実施。その期間は会社によってまちまちですが、平均すると3カ月くらいのようです(「日本の人事部」調べ)。その後、現場に配属されることになりますが、そのバトンタッチをスムーズに進めるのは意外と大変。

「新卒社員を育てるなんて、そんな面倒なことは嫌だ~!」

とネガティブな反応をあらわにする現場。あるいは古典的な体育会系ノリで、「とりあえず行ってこい!」と放置プレーになりそうな現場。こうした現場に新卒社員を配属するのは、少なからずリスクを伴います。そこで、

「面倒見がよくて、新卒社員を育てた実績のある職場に優先的な配属をするべき」

と人事部は考えたくなります。

新卒採用にはそうとうな手間とコストがかかります。入社早々に現場でもまれて退職……となれば、大きな痛手です。ただ、受け入れ先をえり好みしにくい状況になりつつあります。新入社員の数自体が増えてきたからです。

特に大量採用(通年と比較して倍以上の規模)をした会社では、退職リスクも覚悟して、「えいや!」での現場配属になることも多々。新入社員、現場、人事部それぞれにとって悩ましい状況になりつつあります。

大量入社は華々しいけれど…

マイナビの調査によると、新卒の採用数が回復期に入った2013年卒と比較して、2014年入社組は2割以上も増加予定。中には、オリンピック特需を見込んで4~5割の増加を見込む企業もある様子です。

たとえば、飲食・サービス業界ではアルバイト・パートの時給が大幅に上昇。正社員への採用にシフトして、新卒の採用数が大幅に増加しています。建設業界では総合職として施工管理、技術開発、設計などでの活躍を期待する電気・電子・情報工学・建築・土木系の人材は「何人でも欲しい」と、多くの会社の人事部が人材確保に奔走しています。

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