キューバは、激しい変化の波に耐えられるか

米国との国交回復で何を失い何を得るのか

国交が回復されれば、米国とキューバのとの交流は一気に進みそう。ハバナの「対岸」のフロリダ州は200キロ足らずだ(フロリダ州・タンパからのチャーター便でハバナに到着した人々、ロイター/アフロ)

いよいよ21日からアメリカとキューバの国交正常化に向けた次官級協議が始まる。前回のコラム「米国はキューバを再び『属国』にできるか」では、ニッケルビジネスを通じたキューバとの関係とヘルムズ・バートン法の話題を書かせてもらったが、なんと、たまたまハバナから日本に帰国しているキューバ通のビジネスマン3人が新年会に集まった。さしずめ「緊急キューバ会議」といったところだ。

そこで、今回はビジネスの立場から今後のキューバがどうなるかをまとめてみたい。この3人は、会社の規模は違っても皆ハバナに長期間駐在をして苦労を共にした仲間であり、キューバの「裏の裏」まで知っている連中である。

経済的には追い込まれているキューバ

キューバは誰もが認めるしぶとい「筋金入りの社会主義国家」だが、どこの国家にも見られない個性に溢れているから、説明が少し難しい。しいて言えば、ベトナムのような、強(したた)かな外交が、キューバの持ち味とも言える。

まず、今回のオバマ大統領の「突然の発表」だが、やはり「裏でラウル・カストロ議長が練りにねって仕掛けたものに違いない」との意見で「3人の専門家」の意見は一致した。一見、経済封鎖で苦境に立っているように見えるキューバだが、実はどっこい、経済以外ではよほどアメリカよりも強かであることを、理解すべきである。

外交面ではアメリカを手玉に取るカストロ兄弟が、南米世界のリーダーとして、また世界の発展途上国のリーダーとして、社会主義国家グループのリーダーとして君臨している一面も否定できないのだ。

とはいえ、もちろん、経済は楽ではない。貿易予算のかなりの比率をニッケル資源がまかなっているのは周知の事実であるが、資源ブームが過ぎ去った現在、ニッケルの国際市況も弱含みで一時期のように外貨が稼げるような状況ではない。

1960年以前に稼働を始めたニカロ鉱山はすでに閉山。キューバが開発したプンタゴルダ鉱山も老朽化で生産性は上がらない。頼みのカナダとの合弁事業(シェリット社50%、キューバニッケル50%合弁)のモアベイ製錬所も経営は苦しく、精錬工場をフルキャパで稼働させるところまではいっていないようだ。ニッケルの国際価格次第でキューバの貿易収支は赤字基調になってきているので厳しい状況である。

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