2015年の日本株は、日経平均だけを見るな ジワリ改革が進む日本、捨てたもんじゃない

✎ 1〜 ✎ 27 ✎ 28 ✎ 29 ✎ 最新
拡大
縮小

渋澤グローバル経済という点では原油安とロシア経済の行方が注目として、国内的にはやはりアベノミクスがどうなるのか、ということでしょうか。第1の矢はすでに2014年10月に黒田バズーカを打ってしまったから、2015年はよほどのことがない限り打つことはない。第2の矢は財源がないから、そんなに積極的なことはできない。第3の矢はちょっと悲観的。サプライズはないでしょう。

中野 選挙後、第3の矢の方向性が変わってしまうようなことはないのでしょうか。メニュー自体は正しいと思うのですが。

4月統一地方選、9月総裁選で大胆な改革は期待薄?

渋澤 ただ、今回の選挙で60以上の法案が廃案になったでしょう。もう一度、仕切り直しです。そのうえ、2015年のカレンダーを考えると、4月の統一地方選、9月の自民党総裁選があるから、あまり大胆な改革はできないかも知れません。

藤野 廃案にはなりましたが、ゼロから作るわけじゃありませんから、また法案を提出すれば良いわけです。だからこそ、守旧派からの反撃が気になるところではあるのですが。

渋澤 法人税減税も3年かけて20%台への低下ですから、スピード感にかける感じはしますね。

中野今回の選挙に自民党が大勝し、アベノミクスが緩むということにならなければ良いのですが。守旧派も喜んでいるようです。

藤野 でも、今回の衆院選では右派が惨敗しているじゃないですか。共産党と民主党が伸びて、維新が横ばい。次世代は壊滅状態。だから、アベノミクスに関しては意見が分かれているけれども、安全保障については、ノーというのが民意ですよ。つまり憲法改正に関しては非常にやりにくくなったというのが、今回の選挙だと思います。

まあ、でも安全保障に傾倒しにくくなったとしたら、それはマーケットにとってプラスでしょう。経済や景気を疎かにして安全保障ばかりに力を入れていると、2014年の年初のように、日中関係が悪いということでマーケットのムードが悪化する恐れがあります。

次ページ2015年の日中関係は、一段と実利を優先に
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT