東京都港区議会で異例の通達が出ていることが明らかになった。議長が2014年7月、全議員に対してメディアからの取材を受けた場合は議長に報告するように求めるよう求めていたのだ。
議長は「報告を求めるもので取材を制限するものではない」としている。しかし、議員たちがメディアの取材を相次いで断るなど委縮効果を生んでいる可能性もある。複数の議員からは「これは実質的な言論統制」との声も聞かれた。言論の府である議会で、どうしてこのような事態が起こったのだろうか。
議長の許可を得なければ取材を受けられない?
港区議会において議員個人が取材を受ける事は原則禁止――。2014年秋、ある若手区議に取材を打診して断られた際、このことを知った。新聞記者時代、地方議会の取材をしたことがあるが、議員個人の取材を禁止するようなルールは聞いたことがない。ある問題を審議する過程において決定前の事項が外に漏れないようにすることはあっても、会派間の枠を超えて「平時」の議員活動の取材まで規制をかけるのは異例だ。
その後、複数の区議に話を聞くと、会派を問わず、取材を受けるかどうかは実質的に井筒宣弘議長(自民党)の「許可制」になっているということがわかった。その影響でNHKなどのメディアが議員への取材を断念せざるをえず、その際には議長とNHK記者が激しく論争したとの情報まで入ってきた。
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